EPUBファイルの概要と開き方をご紹介します。電子書籍などでよく使われるEPUBファイル。電子書籍に慣れていない人は、普段あまり目にしないため「拡張子がEPUBというファイルがあるけれども、どうしたらいいの?」「EPUBってそもそもなに?」と戸惑うことも多いでしょう。
そこで、本記事ではEPUBファイルの役割や選ばれる理由、さまざまな開き方や変換方法、破損したEPUBファイルの修復までわかりやすく解説します。
拡張子EPUBファイルについて
「EPUBファイルの名前の元になっているEPUBとは何だろう?」「EPUBの利点は?」といった疑問を感じる方も多いでしょう。そこで、ここではEPUBの役割や選ばれる理由を解説します。
EPUBとは何か?
拡張子がEPUB(.epub)となっているファイルは、XML、HTML、JPG、CSSなどのファイルを組み合わせて圧縮したファイル形式です。この形式は、電子書籍を表示するために必要なコンテンツを含んでおり、主にテキスト、画像、スタイルシート(CSS)、メタデータ(XML)、そして一部の場合、フォントなどが含まれます。EPUBは、オープンで標準化された形式であり、さまざまな電子書籍リーダーやアプリケーションで利用することができます。

電子書籍におけるEPUBの役割
EPUB(Electronic Publication)とはIDPF(International Digital Publishing Forum、国際電子出版フォーラム)が策定した、電子書籍のための国際的な標準フォーマット規格です。EPUBが登場する以前は、電子書籍の保存形式はデバイスごとに異なる独自形式が採用されていました。そのため、電子書籍を出版する際に複数の形式を用意する必要があり、コストや手間が課題となっていたのです。
そのような背景から、より効率的に電子書籍を制作・配布できる統一規格が求められ、IDPFによってEPUBが開発されました。そのため、EPUBは出版社や個人が電子書籍を手軽に出版する上で、標準規格として重要な役割を果たしているといえるでしょう。
EPUBファイルが選ばれる理由
EPUBファイルが電子書籍の保存で選ばれる理由は以下の通りです。
- オープン性:仕様が公開されており、誰でも無料で利用できる
- 柔軟性:文字サイズやフォントを電子書籍リーダーで柔軟に変更可能
- 互換性: 多くの電子書籍アプリやデバイスで利用できる
- 軽量:ファイル容量が軽量で、ダウンロードや転送が簡単
EPUBファイルを開くための3つの簡単な方法
ここではEPUBファイルの簡単な開き方を3つ解説します。「EPUBはどうやって使えばいいのか?」と思っている方は、ぜひ参考にしてください。
開き方1:EPUBをPDFに変換して開く
EPUBをPDFに変換して開くには、オンラインサービスを利用するのが簡単です。例として、1日10ファイルまで無料でファイルの変換ができる「CloudConvert」を利用してEPUBをPDFに変換する手順を紹介します。
「CloudConvert」のWebサイトの中央にある「Select File」ボタンを押し、変換したいEPUBファイルを選択します。
アップロードしたファイル名の横「Convert to」の隣のボタンを押し、「Document」から「PDF」を選びます。
「Convert」ボタンを押します。
しばらくすると自動で変換結果のPDFファイルが開かれます。必要なら右下の「ダウンロード」をクリックして保存してください。
開き方2:EPUBビューアソフトで開く
EPUBファイルは対応するビューアソフトを利用しても開けます。ここでは例として「calibre」と「Adobe Digital Editions」を使い、Windows上でEPUBファイルを開く手順をご紹介します。
calibreでEPUBファイルを開く
calibreは電子書籍の管理・閲覧・変換などができる非常に多機能なフリーソフトです。公式サイトよりダウンロードしてインストールしたら、次の手順でEPUBファイルを開けます。
calibreを開き、左上の「本を追加」をクリックします。するとファイルの選択画面になるので、EPUBファイルを選択し「開く」ボタンを押します。
追加したEPUBファイルが一覧に表示されるので、ダブルクリックします。
ビューアが立ち上がり、EPUBファイルが表示されます。矢印キーでページ送りが可能です。各種設定はビューア上部をクリックすると表示されます。
Adobe Digital EditionsでEPUBファイルを開く
ここでは「Adobe Digital Editions」でEPUBファイルを開く手順をご紹介します。「Adobe Digital Editions」はデジタル著作権管理(DRM)された書籍を読み込めることが特徴のフリーソフトです。また、スマホにも対応しています。公式サイトのダウンロードページからダウンロードし、インストールしたら、次の手順でEPUBファイルを開けます。
「ファイル」から「ライブラリに追加」を選択します。
ファイルの選択画面になるので、開きたいEPUBファイルを選び「開く」ボタンを押します。
追加したEPUBファイルがライブラリに表示されるので、ダブルクリックすれば開きます。スペースキーか「Page Down」、「Page Up」でページ送り可能です。
開き方3:ブラウザでEPUBを開く
「Google Chrome」でEPUB用の拡張機能を導入すれば、ブラウザでEPUBファイルを開くこともできます。手順は以下の通りです。
chromeウェブストアの「Google Chrome用ePub Reader」ページにアクセスし、タイトル右側の「Chromeに追加」ボタンを押します。
Chrome右上の拡張機能のアイコンをクリックし、「ePub Reader」を起動します。もしアイコンがなかったら、ジグソーパズルのピースのようなボタンを押せば表示できます。
「ePub Reader」の画面が表示されたら、左上のメニューから「デバイスからアップロードする」を選択しファイルを選べばEPUBファイルを開けます。
EPUBファイルが開けない場合の対処法
EPUBファイルが開けない場合、ファイルの破損が原因かもしれません。その場合、4DDiG File Repairの「ファイル修復」機能を使用することで、簡単に修復が可能です。このツールは高度なアルゴリズムを活用し、破損したEPUBファイルを元の状態に近い形で修復します。
特に、構造が壊れたファイルやリンク切れ、表示エラーなどを修正し、再び開けるようにします。直感的な操作で初心者でも安心して利用できるため、EPUBファイルの修復には最適な選択肢です。
4DDiG File Repairを起動します。左側のメニューバーの「ファイルの修復」タブをクリックします。次に、「ファイル修復」を選択します。
「ファイルを追加する」ボタンをクリックし、破損したEPUBファイルを追加します。
「すべてを修復」ボタンをクリックすると、プログラムは自動的にEPUBファイルを修復します。
ファイルの修復が完了すると、修復されたEPUBファイルをプレビューして、指定した場所に保存できます。
上記の操作でファイル修復に失敗した場合は、「高度な修復」機能を選択して、より深い修復を行うことも可能です。
最後に
EPUBファイルは、電子書籍を利用する上で非常に便利な形式です。しかし、初めて利用する方は開き方がわからず戸惑うかもしれません。その時には本記事で紹介した方法で、EPUBファイルを開いてみてください。また、万が一開けないトラブルが発生した場合は、EPUBファイル修復ツールを試してみましょう。本記事がEPUBファイルを理解し、電子書籍をより楽しむ一助になれば幸いです。