読者の皆さんは、GPT(GUID Partition Table)ディスクやMBR(Master Boot Record)ディスクという単語を聞いたことはありますか?2つともシステムの起動に関するディスク形式です。
MBRは古くからある形式で、GPTは比較的新しい形式です。GPTの方が新しい形式であり機能も豊富です。本記事ではMBRからGPTに変換するメリットや具体的な変換方法について解説します。
パート1:MBRをGPTに変換する前に
MBRをGPTに変換する前にいくつかの前提知識について理解をしておきましょう。
MBRディスクをGPTディスクに変換する理由は?
MBRディスクからGPTディスクに変換することには、いくつかのメリットがあります。以下に、いくつか挙げてみましょう。
理由1:大容量ディスクの最適活用
GPTディスクは非常に大きなディスク容量をサポートします。1つのパーティションで2TB以上のディスク容量を最大限に活用することができます。これに対して、MBRディスクはパーティションサイズ制限があり、2TBを超えるディスク容量の最適活用ができません。
理由2:セキュアブートやUEFI対応
GPTディスクは、セキュアブートやUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)などの新しいテクノロジーとの互換性があります。これにより、セキュリティ向上や新しいブート方式をサポートすることができます。
他にもGPTには、パーティションの拡張性、データ冗長性、新しいオペレーティングシステムに対応している等のメリットがあります。
WindowsシステムディスクがMBRかGPTかを確認する方法?
Windowsアイコンを右クリックし、一覧から「ディスクの管理」を選択します。
「ディスクの管理」ウィンドウが開いたら、一番下に表示されているディスクのリストから、Windowsにインストールされているドライブが含まれているディスク番号(ディスク0など)を確認します。
ディスク(ディスク0など)を右クリックし、プロパティを選択します。
「ボリューム」タブに切り替え、「パーティションスタイル」で現在のディスクがMBRかGPTかを表示するかどうかを確認します。
パート2:MBRからGPTに変換する方法4選
方法1:データを保持したままMBRをGPTに変換するフリーソフト—4DDiG Partition Manager
4DDiG Partition Managerは、オールインワンのディスクパーティション管理ツールです。以降のパートで紹介する方法では、変換の過程でデータが消えてしまいますが、このツールを利用すればデータを保持したままMBRからGPTへの変換が可能です。
すなわち変換後にデータの復元やWindowsの再インストールが不要なので手早く、確実に、簡単にMBRからGPTへの変換を実行することができるのです。詳細な手順は割愛しますがソフトウェアインストール後に数クリックで変換を開始することができます。
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4DDiG Partition Managerをダウンロードして起動します。
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左側の列で「ディスクを変換」を選択し、「MBRをGPTに変換」をクリックして続行します。
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変換するディスクを選択し、「続行」をクリックします。
選択したディスクがシステムディスクの場合:プログラムは自動的にPEコンポーネントをダウンロードし、PE環境に入ります。
選択したディスクが外部ディスクの場合:再起動してPE環境に入る必要がなく、プログラムによって自動的に変換されます。 4DDiG Partition ManagerはMBRをGPTに変換しています。 ディスク変換の速度は、ディスク上のパーティションの数によって異なります。
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少しお待ち、ディスクの変換が完了します。
方法2:Windows回復環境でMBRをGPTに変換する
Windows回復環境でMBRをGPTに変換する方法について以下に解説します。
①Windows回復環境の起動
Windowsのインストールメディア(USBドライブまたはDVD)を用意します。コンピュータをインストールメディアから起動します。
②コマンドプロンプトを開く
「言語を選択」画面で「次へ」をクリックします。
「コンピューター修復オプション」を選択し、「トラブルシューティング」→「高度なオプション」→「コマンド プロンプト」の順に進みます。
③MBR2GPTユーティリティの実行
コマンドプロンプトで以下のコマンドを入力して、MBR2GPTユーティリティを実行します(Xはディスクの番号を指します)。
mbr2gpt /validate /allowFullOS
上記のコマンドは変換前にディスクの内容を検証します。エラーがないことを確認します。
④変換の実行
検証が成功したら、以下のコマンドを入力して変換を実行します。
mbr2gpt /convert /allowFullOS
方法3:「ディスクの管理」でMBRからGPTに変換する
Windowsユーティリティの「ディスクの管理」を利用してMBRからGPTに変換する際には以下の手順に従ってください。データが全て消えますので必要なデータのバックアップを取得後に実行してください。
「PC」を右クリックし、「管理」→「ディスクの管理」の順にクリックします。
ターゲット ディスク上のボリュームを右クリックし、「ボリュームの削除」を選択します。
すべてのボリュームが削除され、ディスク全体の領域が未割り当てとして表示された後、このディスクを右クリックして「GPTディスクに変換」を選択します。
方法4:DiskpartコマンドでMBRディスクからGPTディスクに変換する
Windowsユーティリティの「Diskpart」を利用してMBRからGPTに変換する際には以下の手順に従ってください。
コマンドプロンプトで diskpart と入力してEnterキーを押します。管理者権限が必要です。
list disk と入力してEnterキーを押し、変換するMBRディスクの番号を特定します。ディスクを識別してください。
select disk X と入力してEnterキーを押します。ここでXはMBRディスクの番号です。
convert gpt と入力してEnterキーを押します。ディスクがGPTに変換されます。
exit と入力してEnterキーを押し、Diskpartを終了します
パート3:MBRからGPTに変換した後にPCを起動する方法
MBRからGPTに変換した後にPCを起動する際には注意が必要です。以下の手順に従ってください。
PCを起動する
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GPTディスクに変換したPCを再起動します。
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PCが起動する際に、BIOSまたはUEFI画面で「ブートデバイス」または「ブートオプション」を選択できる場合、Windowsのインストールメディアを選択して起動します。この際、UEFIモードで起動することが重要です。
Windowsのインストールと再設定
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インストールメディアから起動した後、Windowsのインストール手順に従って進めます。Windowsのインストールが完了したら、必要なデータを復元し、アプリケーションを再インストールします。
さいごに
GPT(GUID Partition Table)ディスクやMBR(Master Boot Record)ディスクは、ともにシステムの起動に関するディスク形式です。MBRは古くからある形式で、GPTは比較的新しい形式です。GPTの方が新しい形式であり機能も豊富なので、MBRをGPTに変換するケースは多いです。
本記事ではMBRからGPTに変換するメリットや具体的な変換方法について解説しました。Windowsに内蔵のツールを利用する場合、変換の過程でデータが一旦すべて消えてしまうので、ご紹介した4DDiG Partition Managerを利用して、手早く、確実、簡単なMBRからGPTへの変換をオススメします。
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