PDFのデータ容量を削減し、軽くする方法を解説します。PDFを軽くすれば、共有がスムーズになり、デバイスのストレージも節約できます。本記事では、オンラインツール、編集ソフト、仮想プリンターを使ってPDFのデータ容量を軽くする方法を詳しくご紹介します。
簡単に実践できる方法ばかりなので、「メールで送信できない」「ストレージを圧迫する」など、PDFファイルが重くてお困りの方はぜひお試しください。
なぜPDFデータを軽くするのか?PDFが重くなる原因とは
ここではPDFを軽くするメリットとPDFが重くなる原因を解説します。「なぜPDFを軽くするのか?」「そもそもPDFが重くなるのはどうして?」と疑問に思う方はぜひ参考にしてください。
PDFを軽くするメリット
PDFを軽くするメリットには以下のようなものが挙げられます。
- 共有しやすい: ファイル容量が小さいと、メールの添付やWebサイトからのダウンロードがしやすくなります
- ストレージの節約: PCやクラウドストレージの容量を節約できます
- ファイルが速く開ける: ファイルが軽いと、PDFの表示やスクロールが速くなります
このようなメリットがあるため、PDFファイルはなるべくなら軽い方がいいでしょう。
PDFが重くなる原因
PDFが重くなる原因としては、以下のようなものが考えられます。
- 高解像度の画像を多用している
- フォントやメタデータが多く含まれている
- 変更履歴や不要なオブジェクトが残っている
これらの原因は、実用性を損なわずに取り除ける場合があります。たとえば、高解像度の画像は、印刷などを行わないのであれば解像度を落としても問題ないでしょう。メタデータや変更履歴も不要な場合があります。そのため、専用のソフトなどを利用すると、PDFは軽量化できるのです。
PDFデータを軽くする3つの方法 [オンラインからソフトまで]
PDFデータを削減しファイルを軽くするには、オンラインサービスやパソコン上で実行するソフトを利用する方法や、Windowsの機能を利用する方法があります。以下ではそれぞれの方法でおすすめのツールをご紹介します。
方法1:オンラインツールを使う
オンラインツールを利用すれば、パソコンのソフトなしでPDFを軽くできます。インストールなどが不要なため、手軽なのがメリットです。
画質を損なわずにファイルサイズを大幅に削減「PDF Compressor」

「PDF Compressor」、ブラウザ上で簡単にPDFファイルのサイズを縮小できる便利なツール。面倒なソフトのインストールは一切不要で、PDFファイルをブラウザにドラッグ&ドロップするだけで、画質を損なうことなくファイルサイズを最大90%も削減できます。
- メリット
- デメリット
-
- 無料で利用可能
- 最大20ファイルに対応
- ZIPで一括ダウンロード
-
- 圧縮の設定は変更できない
- 変換がやや遅い
高品質な圧縮に定評のあるオンラインサービス「iLovePDF」

「iLovePDF」は、PDFに関連するさまざまな変換や編集機能を提供するオンラインサービスです。ファイルの圧縮をはじめ、PDFの結合や分割、Word・Excel・PowerPointなどとのフォーマット変換、ページの削除や回転、透かしの追加など、多岐にわたる機能を備えています。
- メリット
- デメリット
-
- 品質と圧縮率のバランスを3段階で選択できる
- 他のPDF変換機能が豊富
-
- 無料版は一部機能制限あり
方法2:PDF編集ソフトを使用する
パソコンにインストールして利用するPDF編集ソフトも軽量化が可能です。特に大量のファイルを変換する場合や、細かな設定が必要であれば編集ソフトの利用が便利です。以下では軽量化に特におすすめのPDF編集ソフトをご紹介します。
PDFの軽量化に特化したフリーソフト「Reduce PDF Size」

「Reduce PDF Size」は、PDFファイルの軽量化に特化したフリーソフトです。ファイルサイズを削減することに重点を置いており、余計な機能を省いたシンプルな設計が特徴です。操作は直感的で簡単に行え、初心者でも迷うことなく利用できます。圧縮レベルを選択できるため、用途に応じた最適なサイズ調整が可能です。
- メリット
- デメリット
-
- 単機能のため軽量でシンプル
- 複数ファイルを一括で軽量化可能
-
- PDFのプレビューなどの付加機能はない
- 一部の日本語を含むファイル名のファイルが変換できなかったとの報告あり
軽快・多機能なフリーPDFエディター「PDF-XChange Editor」

「PDF-XChange Editor」は、多機能ながらも軽快に動作するPDF編集ソフトです。テキストの追加や注釈の挿入、ページの分割・結合といった基本的な編集機能に加え、PDFファイルのサイズを最適化して軽量化する圧縮機能を備えています。画像の解像度を調整したり、不要なデータを削除することで、品質を保ちつつファイルサイズを削減できるため、メール添付やクラウド共有時にも便利です。
- メリット
- デメリット
-
- PDFの編集機能が豊富
- さまざまな設定を変更しての軽量化が可能
-
- 無料版は保存したファイルにソフトのロゴが入る
方法3:「Microsoft Print to PDF」の仮想プリンターで圧縮する|ソフトなし
Windows標準搭載の「Microsoft Print to PDF」を利用して、PDFファイルを出力して軽量化することもできます。使い方は、PDFを開いて印刷するときに、プリンターとして「Microsoft Print to PDF」を選ぶだけです。ページ数などを選択して「印刷」ボタンを押すと、PDFファイルを保存できます。
ただし、そのまま保存すると逆にファイルのサイズが大きくなることがあります。確実に軽量化するには、必要な部分のページだけを出力した方がよいでしょう。

データ容量を軽くした後にPDFが破損した場合の対処法
もし、PDFファイルのデータ容量を削減したあとに、そのファイルが破損したとしても、データ修復ソフトを利用すれば復元できる可能性があります。ファイル修復ソフトの中でも特におすすめなのが「4DDiG File Repair」です。
- PDFファイルだけでなく、一般的な文書、画像、動画ファイルの修復に対応
- 初心者でも使いやすいUI
- MacとWindowsの両方に対応
- ダウンロードは無料
4DDiG File Repairを起動します。左側のメニューバーの「ファイルの修復」タブをクリックします。次に、「ファイル修復」を選択します。
「ファイルを追加する」ボタンをクリックし、破損したファイルを追加します。
「すべてを修復」ボタンをクリックすると、プログラムは自動的にファイルを修復します。
ファイルの修復が完了すると、修復されたファイルをプレビューして、指定した場所に保存できます。
上記の操作でファイル修復に失敗した場合は、「高度な修復」機能を選択して、より深い修復を行うことも可能です。
最後に
PDFのデータ容量を削減してファイルを軽くすると、ファイルの共有や保存などに便利です。本記事で紹介した方法を参考にして、効率よく容量を削減しましょう。さまざまなオンラインツールやソフトをご紹介したので、自分に合った方法を見つけてPDFの管理に役立ててください。
また、もしPDFファイルが破損したとしても、4DDiG File Repairを使えば修復できる場合があります。重要なデータを失わないようにするため、万が一のときにはぜひ活用してください。