エクセルのフィルター機能は、必要なデータだけを絞り込めるとても便利なツールです。しかし、フィルターが途中でかからなくなる、または全く機能しないというトラブルが発生することがよくあります。
そこで、本記事では、エクセルのフィルターが効かない原因を解説し、それぞれの原因に対応した解決策をご紹介します。「エクセルのフィルターがうまくいかないのはなぜ?」「データの途中からフィルターがかからない」とお困りの方はぜひ参考にしてください。
エクセルの「フィルター」機能とは
エクセルの「フィルター」は、データの中から特定の条件に合うデータだけを表示する機能です。たとえば、次のようなことができます。
- 特定の担当者の記録だけを表示
- 指定した日付のデータだけを表示
- 指定した金額をこえるデータだけを抽出
フィルターで必要な項目だけを抽出すれば、大量のデータも効率よく管理・分析できるでしょう。
エクセルのフィルターが途中でかからない原因
エクセルのフィルターが便利な機能ですが、設定などによりうまく適用されないことがあります。ここでは「フィルターが途中からしかかからない」「表示がおかしいのはなぜ?」といった問題の原因を解説します。
原因1:データに空白セルがある
Excelのフィルターの範囲は、連続したデータを自動的に認識して設定されます。途中に空白セルがある場合、そこでデータ範囲が終わったと判断され、データの途中からフィルターが適用されなくなってしまいます。
たとえば、以下の表には空白行があるため、自動で範囲選択するとフィルターはその上部までしかかかりません。

原因2:フィルター範囲が正しく設定されていない
フィルターは手動でも範囲を指定できます。その場合、操作ミスなどにより全てのデータを範囲に含めていないと、一部のデータがフィルターの対象外となってしまいます。また、対象外の部分に目当てのデータが存在すると、フィルターをかけようとしても、そのデータの選択肢が出ないので戸惑うことがあります。
原因3:データ形式が統一されていない
エクセルでは、表示は同じように見えても、形式が異なるデータは同じ値だとは見なされない場合があります。そのため、フィルターの表示がおかしいように見えます。

たとえば、以下のデータは日付がテキスト形式や日付形式で混在する状態で記載されています。このデータにフィルターをかけようとすると、同じ「1月2日」なのに別のデータとして扱われていることがわかるでしょう。

原因4:エクセルのバグや不具合
ソフトウェアの一時的な不具合やバグによって、フィルターが機能しなくなることも考えられます。この場合、ソフトの再起動やアップデートが必要です。また、Microsoft公式のサポートページにバグが記載されていることもあります。
エクセルのフィルターが途中でかからない場合の対処法
ここでは、エクセルのフィルターがかからないときの対処法について解説します。「思い通りにフィルターを適用するにはどうすればいいの?」という人はぜひ参考にしてください。
対処法1:フィルター範囲を再確認する
まず、フィルター範囲が正しく設定されているかをチェックしましょう。含まれていなければ範囲を拡大してください。「データ」リボン内にあるフィルター設定の「詳細設定」から、フィルターの範囲の確認と設定が可能です。

対処法2:エクセルを再起動する
一時的な不具合でフィルターがかからない場合は、エクセルの再起動で解決することがあります。また、バグが原因なら最新バージョンへのアップデートも有効な方法です。エクセルのアップデートは、ファイルメニューの「アカウント」から行えます。

対処法3:空白セルを削除する
データの途中に空白セルがある場合、それを削除または埋めてフィルターを再設定しましょう。たとえば、空白セルには「データなし」と入力するといった方法が考えられます。
空白セルの行がなくなれば、自動でのフィルターの範囲指定が正常に働きます。 また、「コントロール・キー + 下矢印キー」のショートカットで、次の空白セルの直前までジャンプできます。データの量が多い場合には便利な機能なので、覚えておくとよいでしょう。

対処法4:データ形式を統一する
異なる形式のデータを統一するには、該当するデータが少なければ、手動で正しい形式で入力し直すのが最も簡単です。データが多いのであれば、「区切り位置」機能で一括で変換できる場合があります。たとえば、「区切り位置」機能で文字列を日付に変換する手順は次の通りです。
換したいセルを選択して「データ」リボンの「区切り位置」をクリックします。
ウィザードが立ち上がるので、最初の2画面は「次へ」ボタンを押し、最後に「列のデータ形式」で「日付」を選んで「完了」ボタンをクリックします。
対処法5:条件付き書式を使ってデータを強調表示する(代替方法)
どうしてもフィルターが使えないのであれば、条件付き書式を利用し、条件に合致するデータに色を付けると代替手段として使えます。データの絞り込み表示ができなくても、視覚的に識別しやすくなります。 例として、価格が一定以上のセルを強調表示するには以下のようにします。
書式を適用したい列を選択し、「ホーム」リボンの「条件付き書式」をクリックします。
「指定の値より大きい」を選び、条件を入力します。
追加情報:Excelファイルが開けない時の予備ツール
エクセルファイルが壊れてしまい開けなくなった場合でも、Excel修復ソフトを利用すれば、ファイルを修復できます。高度なアルゴリズムを用いてデータを解析し、表や数式、書式などの情報をできる限り元の状態に復元します。さらに、修復前にプレビューが可能なため、必要なデータを確認してから保存できます。Excelファイルが開けなくなった際の強力な解決策としておすすめです。
4DDiG File Repairを起動します。左側のメニューバーの「ファイルの修復」タブをクリックします。次に、「ファイル修復」を選択します。
「ファイルを追加する」ボタンをクリックし、破損したファイルを追加します。
「すべてを修復」ボタンをクリックすると、プログラムは自動的にファイルを修復します。
ファイルの修復が完了すると、修復されたファイルをプレビューして、指定した場所に保存できます。
上記の操作でファイル修復に失敗した場合は、「高度な修復」機能を選択して、より深い修復を行うことも可能です。
最後に
エクセルのフィルターがかからない原因は、空白セルやデータ形式の不一致、フィルター範囲の設定ミスなど、さまざまです。フィルターは便利な機能ですが、中途半端にデータを抽出すると、逆にデータが見づらくなってしまいます。そうならないように、本記事で紹介した原因と対処法を参考に、トラブルを解消して業務の効率化に役立ててください。
また、エクセルファイルが壊れてしまったら、修復ソフトの利用をおすすめします。エクセル以外のさまざまなファイルの修復も可能な便利なソフトなので、ぜひ覚えておきましょう。