セキュリティのためにZIPファイルにパスワードを設定したものの、肝心なときにそのパスワードを思い出せなくなった経験は誰しもあるでしょう。
そこで本記事では、実用的なZIPファイルのパスワード解析の手法をわかりやすく解説していきます。
なお、これらの技術は倫理的な使用を前提としています。正当な権限を持つファイルに対してのみ使用し、法令遵守を心がけましょう。
方法1.コマンドプロンプトでZIPパスワードを解析
ZIPのパスワード解除の王道ともいえる方法が、John the Ripperというオープンソースツールの活用です。この手法は技術者の間で長年愛用されており、人気の理由は高い解析能力と無料で利用できる点にあります。
ステップ1:
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公式サイトからJohn the Ripper 1.9.0以上をダウンロード
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ダウンロードしたファイルを任意のフォルダに解凍(例:C:\john)
解析対象のZIPファイルをrunフォルダ内にコピー
ステップ2:
Windows+Rキーで「ファイル名を指定して実行」を開く
「cmd」と入力してコマンドプロンプトを起動
cd C:\john\runでディレクトリを移動
zip2john.exe ファイル名.zip > hash.txtでハッシュ値を生成
ステップ3:パスワード解析の実行
john.exe hash.txtコマンドを実行
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解析が開始され、パスワードが発見されると画面に表示される(例:k1sk3)
4桁の数字パスワードなら数秒、6桁の英数字でも数分以内で解析が完了します。ただし、8桁以上の複雑なパスワードの場合は数時間から数日を要する場合があります。
方法2.LhaplusでZIPパスワードを解析
Lhaplusは日本で広く愛用されている圧縮解凍ソフトですが、実は総当たりによるZIPファイルのパスワード解除の機能も隠されています。この方法は「ブルートフォース攻撃」とも呼ばれます。
事前準備段階
Lhaplusの最新版をダウンロード・インストール
パスワードが不明なZIPファイルを準備
解析実行フェーズ
Lhaplusを起動し、「ZIP パスワード探索」をクリック
解析パターン(文字種類、桁数範囲)を指定
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「開始」ボタンをクリックして解析開始
この手法の最大の利点は、グラフィカルなインターフェースにより直感的に操作できることです。ただし、解析時間はパスワードの複雑さに大きく依存します。数字4桁なら10分以内、英数字6桁だと数時間程度が目安となります。
方法3.パスワード付きZIPファイルをメモ帳で開く方法
ZIPファイルを直接メモ帳で開くことで、パスワードのヒントを得られる場合があります。このブラウザ的なアプローチは、従来の解析手法とは一線を画す独創的な方法です。
基本操作ステップ
パスワード付きZIPファイルを右クリック
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「プログラムから開く」>「別のプログラムを選択」>「メモ帳」を選択
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文字化けしたバイナリデータが表示される
- ファイル名やフォルダ名が読み取れる場合がある
- パスワードの一部が平文で保存されているケースを発見
- ヘッダー情報から暗号化方式を特定
この手法は100%成功する保証はありませんが、他の方法で行き詰まった際の補完的なアプローチとして有効です。とくに古いバージョンのZIP暗号化ではセキュリティホールが存在する場合があり、思わぬ突破口が見つかることがあります。
注意点として、この方法は主に古い暗号化方式(ZipCrypto)に対してのみ有効で、AES-256などの強固な暗号化には効果が期待できません。
パスワード付きZIPファイルが壊れたときの対処法とは?
パスワード解析以前の問題として、ZIPファイル自体が破損している場合があります。このような状況では、従来の解析手法では対処できません。そこで注目されているのが、AI技術を搭載した4DDiG File Repairです。
このソフトは単なるパスワード解析ツールの枠を超えて、破損したZIPファイルそのものを修復する能力を持っています。従来ではあきらめざるを得なかった深刻な破損ファイルも、AI技術により自動的に破損箇所を特定して適切な修復処理を実行します。
4DDiG File Repairのメリットは以下のとおりです:
- 100%という業界最高水準の修復成功率
- AI技術による自動破損検出システム
- パスワード付きファイルにも対応した包括的修復機能
- ZIPファイル以外にも、動画、写真、Office文書など3000種類以上のファイル形式をサポート
また特筆すべきは、すべての処理がわずか数クリックで完結する点です。その手順は次のとおりです。
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4DDiG File Repairを起動します。左側のメニューバーの「ファイルの修復」タブをクリックします。次に、「ファイル修復」を選択します。
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「ファイルを追加する」ボタンをクリックし、破損したファイルを追加します。
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「すべてを修復」ボタンをクリックすると、プログラムは自動的にファイルを修復します。
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ファイルの修復が完了すると、修復されたファイルをプレビューして、指定した場所に保存できます。
上記の操作でファイル修復に失敗した場合は、「高度な修復」機能を選択して、より深い修復を行うことも可能です。
まとめ
本記事で紹介した3つのZIPパスワード解析の手法を状況に応じて使い分けてください。またファイル破損に対する解決策も重要です。
4DDiG File RepairのようなAI搭載修復ツールの登場により、これまで不可能だった修復作業が現実のものとなりました。
まずは基本的な解析手法を試し、ファイル破損の場合は修復ソフトの活用をおすすめします。