質問
「MacのAPFSドライブから大切なファイルが消えてしまいました。データを復元する方法はありますか?」
ーYahoo知恵袋
Macのストレージフォーマットとして主流になっているAPFS (Apple File System) は、従来のHFS+よりも高速で安定性が高いとされています。しかし、APFSフォーマットのハードドライブでも、予期せぬエラーやトラブルで大切なデータが失われてしまうことがあります。
この記事では、まずAPFSとは何かを簡単に解説し、APFSに異常が発生した際の主な症状をご紹介します。そして、APFSのデータが消えた場合に、どのようにAPFSハードドライブからデータを復元できるのか、具体的な方法を解説します。
MacのAPFSとHFSとは
まず、MacのファイルシステムであるAPFSとHFSについて理解しておきましょう。ファイルシステムとは、MacなどのOSがファイルを管理し、データを読み書きできるようにするシステムのことです。
APFS
APFS(Apple File System)は、macOS 10.13 High Sierra以降で採用されている、Apple社独自のファイルシステムです。SSD (ソリッドステートドライブ) やフラッシュストレージに最適化されており、以下のような特徴があります。
- SSDに最適化されており、ファイルコピーの速度が高速化されています
- 高度な暗号化機能とスナップショット機能により、信頼性が向上しています
- パーティションサイズを柔軟に変更でき、自由度が高い設計になっています
- 64ビットでファイル管理を行えるため、さまざまなファイルを効率的に扱えます
- クラッシュやフリーズが発生してもファイルが守られる機構を備えています
HFS
HFS(Hierarchical File System)は、以前のmacOSで使用されていたファイルシステムです。日本では「Mac OS標準フォーマット」とも呼ばれており、現在はサポートを終了しています。
HFSで記録されたデータの読み書きが可能なのは、macOS X v 10.5以前のものです。また、HFS+という容量が大きいバージョンも存在し、macOS 10.12以前のMacで広く使用されていました。
APFSは、HFSやHFS+よりも強力な暗号化、領域共有、スナップショット機能などで優れており、macOS 10.13以降の標準ファイルシステムとなっています。
MacのAPFSに異常が発生した時の主な症状
APFSを使用しているMacのハードドライブに異常が発生すると、以下のような様々な症状が現れることがあります。これらの症状は、APFS 修復やAPFS 復元が必要なサインかもしれません。
Macが起動しない
電源を入れてもMacのロゴから進まない、またはクエスチョンマークのフォルダが表示されるなど、起動プロセスが正常に完了しない場合、APFSファイルシステムに深刻な損傷が生じている可能性があります。
「ディスクユーティリティ」でエラー表示
macOSに標準搭載されている「ディスクユーティリティ」で「First Aid」を実行した際、「重複したエクステントが割り当てられています」「ディスクの修復が必要です」といったエラーメッセージが表示されることがあります。これは、ファイルシステムの構造に問題があることを示しており、「APFS ディスク ユーティリティ 復元」の作業が必要になる場合があります。
アクセス速度の低下またはファイルの読み込みエラー
APFSに問題が発生すると、通常よりもファイルへのアクセスが遅くなったり、特定のファイルが開けなくなったりします。具体的な症状には以下のようなものがあります:
- ①ファイルを開くのに異常に時間がかかる:数秒で開けるはずのファイルが数分かかる状態です
- ②「ファイルが見つかりません」というエラー:実際には存在するはずのファイルが認識されない状態です
- ③アプリケーションがフリーズする:ファイルを読み込もうとした際にアプリが応答しなくなります
データが消えた
最も深刻な症状の一つが、「APFS データ 消えた」という事態です。誤操作による削除だけでなく、システムエラーや予期せぬフォーマットなどによって、APFSボリューム内の大切なファイルやフォルダが忽然と見えなくなることがあります。
APFSハードドライブからデータを復元する方法
APFSハードドライブからデータが消えてしまった場合でも、適切な方法を使えば復元できる可能性があります。ここでは、効果的な2つの方法をご紹介します。
方法1. データ復元ソフトでAPFSハードドライブを復元する(Tenorshare 4DDiG Mac)
データ復元ソフトは、Time Machineバックアップがない場合や、バックアップから復元できないほどシステムが損傷している場合に最も有効な手段です。中でも、高性能なMac APFS データレスキューツールとして知られる「Tenorshare 4DDiG Mac」は、複雑なAPFSファイルシステム構造にも対応しており、高い復元率を誇ります。
- macOS 10.13以降のすべてのバージョンに対応しており、最新のAPFSフォーマットから確実にデータを復元できます
- 暗号化されたAPFSドライブからもデータを復元可能です(パスワード入力が必要)
- 削除、フォーマット、パーティションの損失、システムクラッシュなど、あらゆるデータ損失シナリオに対応しています
- 写真、動画、音楽、ドキュメント、アーカイブなど、2000種類以上のファイル形式に対応しています
- 復元前にファイルをプレビューできるため、必要なデータだけを選択して復元できます
Tenorshare 4DDiG Macの使用手順
公式サイトからTenorshare 4DDiG Macをダウンロードし、Macにインストールします。ソフトウェアを起動すると、接続されているすべてのドライブとボリュームが表示されます。
復元したいAPFSドライブまたはボリュームを選択し、「スキャン」ボタンをクリックします。暗号化されたドライブの場合は、パスワードの入力を求められます。ソフトウェアが自動的にクイックスキャンとディープスキャンを実行し、削除されたファイルや失われたデータを検索します。
スキャンが完了すると、復元可能なファイルが一覧表示されます。ファイルタイプやパスでフィルタリングして、必要なファイルを見つけやすくなっています。復元したいファイルをダブルクリックしてプレビューし、内容を確認できます。
復元したいファイルを選択し、「復元」ボタンをクリックします。保存先を指定する画面が表示されますので、元の場所とは異なる安全な場所を選択してください。これにより、データの上書きを防ぎ、復元の成功率を高めることができます。
保存先を元の場所に選択すると、データが上書きされて復元できなくなる恐れがあります。必ず別の安全な場所を選択してください。外付けハードドライブやUSBメモリなどを使用することをおすすめします。
方法2. Time MachineでAPFSハードドライブを復元する
日頃からTime Machineでバックアップを取っている場合、失われたデータを復元する最も簡単で安全な方法となります。Time MachineはMacに標準搭載されているバックアップ機能で、システム全体や個別のファイルを過去の状態に戻すことができます。
Time Machineで特定のファイルを復元する方法
Time Machineのバックアップディスクを接続し、電源を入れます。ネットワーク上のディスクを使用している場合は、Macが同じネットワークに接続されていることを確認してください。
メニューバーの時計マークのTime Machineアイコンをクリックし、「Time Machineに入る」を選択します。Time Machineアイコンが表示されていない場合は、システム設定(またはシステム環境設定)からTime Machineを選択し、「メニューバーに表示」オプションをオンにしてください。
Time Machineのインターフェースが表示されます。画面右側のタイムラインを使って、復元したい日時まで遡ります。中央の矢印ボタンを使用して、さらに詳細な時点を選択できます。
復元したいファイルまたはフォルダを選択し、画面下部の「復元」ボタンをクリックします。
Time Machineでシステム全体を復元する方法
システムクラッシュやハードドライブの故障などで、Mac全体を復元する必要がある場合は、以下の手順を実行してください:
まず、必要に応じてmacOSを再インストールします。起動ディスクに問題がある場合は、ディスクの修理または交換を行ってください。
Macを再起動し、起動音(またはAppleロゴが表示された直後)に「Command」+「R」キーを長押しして、macOSリカバリーモードで起動します。Apple Siliconを搭載したMacの場合は、電源ボタンを長押しし、起動オプションが表示されたら「オプション」を選択します。
macOSユーティリティのウィンドウで、「Time Machineバックアップから復元」を選択し、「続ける」をクリックします。
Time Machineバックアップディスクを選択し、「続ける」をクリックします。ディスクが暗号化されている場合は、パスワードを入力してロックを解除する必要があります。
復元したいバックアップの日時を選択し、「続ける」をクリックします。画面の指示に従って復元プロセスを完了させます。復元には数時間かかる場合がありますので、夜間に開始することをおすすめします。
まとめ
本記事では、MacのAPFSハードドライブからデータを復元する方法について詳しく解説しました。APFSは、macOS 10.13以降で採用されている高速で安全性の高いファイルシステムですが、誤った操作やシステムの不具合により、データが失われることがあります。
データのバックアップがある場合はTime Machineが最善の選択肢ですが、バックアップがない場合や、Time Machineでの復元がうまくいかない場合は、データ復元ソフトの利用が不可欠です。
特に「Tenorshare 4DDiG Mac」は、複雑なAPFSの構造にも対応し、高い復元率と簡単な操作性を兼ね備えた優秀なMac APFS データレスキューツールです。大切なデータを失ってしまった際は、まずこのソフトでのAPFS 復元を試みることをおすすめします。
大切なデータを守るためにも、日頃からTime Machineによるバックアップと、万が一に備えたデータ復元ソフトの準備をしておきましょう。