【Windows Update 12月】KB5072033をインストールできない不具合の原因と対処

KB5072033の基本情報

2025年12月10日、マイクロソフトはWindows 11バージョン24H2および25H2向けの累積更新プログラムKB5072033を配信しました。このセキュリティパッチは、OSビルドを26100.7462および26200.7462に更新し、複数の脆弱性を修正する重要なWindows Updateです。

不具合概要

KB5072033では、主に以下の修正が含まれています。

• ファイルエクスプローラーがページ移動時に一瞬白く点滅する問題の修正
• Copilotの「Ask Copilot」機能の改善
• 仮想スイッチのネットワーク接続問題の解決
• PowerShell 5.1のセキュリティ改善
• 3件のゼロデイ脆弱性を含む57件の脆弱性の修正

しかし、一部のユーザー環境ではKB5072033のインストールエラーが発生し、更新プログラムが正常に適用できない状況が報告されています。

エラーコード0x800f0823

エラーコード0x800f0823は、サービススタック更新(SSU)が古いか破損していることを示すエラーです。サービススタックは、Windows Updateの基盤となる重要なコンポーネントであり、これが正常に機能していないと、累積更新プログラムのインストールができません。

このエラーが表示される主な原因は以下の通りです。

• サービススタック更新の不足：必要なSSUが適用されていない状態
• コンポーネントストアの破損：Windowsの内部データベースに問題がある
• 以前の更新の失敗：過去のアップデートが不完全な状態で残っている

エラーコード0x800f0831

エラーコード0x800f0831は、必要な前提更新のマニフェストファイルが見つからない場合に発生するエラーです。このエラーは、KB5072033をインストールするために必要な依存関係のある更新プログラムが正しく適用されていないことを意味します。

マイクロソフトの公式ドキュメントによると、このエラーは通常、以下の状況で発生します。

• 前提更新の欠落：KB5072033に必要な前の更新プログラムが未適用
• マニフェストファイルの破損：更新パッケージの構成情報が損傷している
• Windows Updateキャッシュの問題：一時ファイルの不整合が発生している

KB5072033の不具合への対処方法

KB5072033のインストールエラーを解決するには、段階的なアプローチが効果的です。以下の手順を順番に試すことで、多くの場合問題を解決できます。

手順1:システムファイルとコンポーネントストアの整合性チェック

まず、Windowsシステムファイルの破損を修復することが重要です。コマンドプロンプトを管理者権限で実行し、以下のコマンドを順番に実行してください。

• スタートボタンを右クリックし、「ターミナル(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」を選択します。

• 以下のコマンドを実行して、システムファイルの整合性をチェックします。

  DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth

• 次に、問題が検出された場合は、以下のコマンドで修復を実行します。

  DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

• 最後に、システムファイルチェッカーを実行します。

  sfc /scannow

• すべてのコマンドが完了したら、PCを再起動してWindows Updateを再度試みます。

注意

DISMコマンドの実行には時間がかかる場合があります。特にRestoreHealthは30分以上かかることもありますので、中断せずに完了を待ちましょう。

手順2:Windows Updateコンポーネントのリセット

Windows Updateの関連サービスをリセットすることで、キャッシュの問題を解決できます。以下の手順を実行してください。

• 管理者権限でコマンドプロンプトを開きます。

• 以下のコマンドを順番に実行して、Windows Updateサービスを停止します。

  net stop wuauserv
  net stop cryptSvc
  net stop bits
  net stop msiserver

• 次に、SoftwareDistributionフォルダとCatroot2フォルダをリネームします。

  ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
  ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old

• サービスを再起動します。

  net start wuauserv
  net start cryptSvc
  net start bits
  net start msiserver

• PCを再起動し、Windows Updateを確認します。

手順3:前提となる更新の状態を確認

KB5072033をインストールする前に、前提となる更新プログラムKB5070311が正しく適用されているかを確認する必要があります。

• 「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」を開きます。

• 2025年12月1日に配信された「KB5070311」が成功しているを確認します。

• KB5070311が見つからない、または失敗している場合は、Microsoft Update Catalogから手動でダウンロードします。

• Microsoft Update Catalogにアクセスし、お使いのWindows 11バージョン(24H2または25H2)に対応するKB5070311を検索します。

• ダウンロードした.msuファイルをダブルクリックしてインストールし、完了後に再起動します。

• KB5070311のインストール後、改めてKB5072033の適用を試みます。

手順4:サービススタック更新(SSU)の状態を確認

エラーコード0x800f0823が表示される場合は、サービススタック更新(SSU)が最新であることを確認する必要があります。

• 「設定」→「Windows Update」→「詳細オプション」→「オプションの更新プログラム」を開きます。

• 利用可能なサービススタック更新がある場合は、チェックを入れてインストールします。

• または、Microsoft Update Catalogから直接最新のSSUを検索してダウンロードできます。

• SSUをインストール後、必ずPCを再起動します。

• 再起動後、KB5072033のインストールを再試行します。

重要

これらの対処方法を試しても問題が解決しない場合は、Windowsのクリーンブート状態で更新を試みるか、Windows 11のインプレースアップグレード(修復インストール)を検討してください。

公式の対応状況とデータの守り

マイクロソフトは、KB5072033のインストールエラーについて認識しており、企業環境向けにKnown Issue Rollback(既知の問題のロールバック)用のグループポリシーを提供しています。ただし、個人ユーザーの場合は、上記の手順で対処する必要があります。

Windows Updateの問題が発生した際に最も重要なのは、大切なデータを失わないよう予防措置を講じることです。特に、システムファイルの修復やWindows Updateのトラブルシューティング中に、予期せぬエラーでデータが消失する可能性があります。

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まとめ

Windows Update 12月の不具合として報告されているKB5072033のインストールエラーは、主にエラーコード0x800f0823や0x800f0831として表示されます。これらは、サービススタック更新の問題や前提となる更新プログラムの欠落が原因で発生しますが、本記事で紹介した対処方法を順番に試すことで解決できます。

特に、DISMおよびSFCコマンドによるシステムファイルの修復、Windows Updateコンポーネントのリセット、前提更新KB5070311の確認が効果的です。ただし、Windows Updateやシステム修復の過程で、予期せぬデータ損失が発生する可能性もあります。

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本記事の対処方法を参考に、KB5072033を正常にインストールし、安全で快適なWindows環境を維持しましょう。