Windows 10のサポート終了が2025年10月14日に迫る中、多くのユーザーがWindows 11への移行を検討しています。無償アップグレードの期間や対象条件、必要な準備について詳しく解説します。
Windows 11への無償アップグレード期間はいつまで?
Windows 11への無償アップグレードの期間について、多くのユーザーが気になるポイントを解説します。
1.Windows 10のサポートは2025年10月に終了
Microsoftは、Windows 10の最終バージョン22H2のサポートを2025年10月14日に終了することを正式に発表しています。この日以降、Windows 10は以下のような状態になります。
- ①セキュリティ更新プログラムの提供終了:新たな脆弱性が発見されても、Microsoftによる修正パッチが提供されなくなります。
- ②機能アップデートの停止:新機能の追加や既存機能の改善が行われなくなります。
- ③技術サポートの終了:Microsoftからの公式な技術サポートが受けられなくなります。
サポート終了後もWindows 10自体は使用できますが、セキュリティリスクが大幅に高まるため、インターネット接続を伴う使用は推奨されません。また、ソフトウェアメーカーも順次Windows 10のサポートを終了していくため、アプリケーションの互換性にも問題が生じる可能性があります。
Windows 11への無償アップグレード期間について、Microsoftは具体的な終了日を明示していません。しかし、予告なく終了する可能性があるため、早めの対応が推奨されます。
2.Windows 11も一部のバージョンはアップグレードが必要
Windows 11にアップグレードした後も、定期的なバージョン更新が必要です。Windows 11は年1回のペースで機能更新プログラムがリリースされ、各バージョンには個別のサポート期限が設定されています。
例えば、Windows 11の初期バージョン21H2は既にサポートが終了しており、22H2は2025年10月14日にサポート終了予定です。2025年現在の最新バージョンは25H2(Windows 11 2025 Update)となっています。
- Windows 11 バージョン21H2:サポート終了済み
- Windows 11 バージョン22H2:2025年10月14日サポート終了予定
- Windows 11 バージョン23H2:サポート継続中
- Windows 11 バージョン24H2:サポート継続中
- Windows 11 バージョン25H2:最新版、サポート継続中
Windows 11へアップグレードした場合でも、常に最新バージョンに更新することで、継続的にセキュリティサポートを受けることができます。
Windows 11の無償アップグレードの対象条件
Windows 11へ無償でアップグレードするには、PCが一定のシステム要件を満たしている必要があります。主な要件は以下の通りです。
- 項目
- 最小要件
- 詳細
- プロセッサ
- 1GHz以上、2コア以上の64ビット互換プロセッサ
- Intel第8世代以降、AMD Ryzen 2000シリーズ以降
- メモリ
- 4GB以上
- 快適な動作には8GB以上を推奨
- ストレージ
- 64GB以上
- インストール時により多くの容量が必要
- システムファームウェア
- UEFI、セキュアブート対応
- レガシーBIOSは非対応
- TPM
- TPM 2.0
- トラステッドプラットフォームモジュール
- グラフィックスカード
- DirectX 12以上対応
- WDDM 2.0ドライバー
- ディスプレイ
- 9インチ以上、HD解像度(720p)以上
- 8ビットカラー
特に重要なのは、Intel製CPUの場合は2018年春以降、AMD製CPUの場合は2019年夏以降に発売されたメーカー製PCであれば、多くの場合システム要件を満たしています。
無償アップグレードが可能か確認する方法
Windows 10からWindows 11に無償アップグレードすべきかどうか迷っている方もいらっしゃると思います。まずは、自分のパソコンが Windows 11 のアップグレード要件を満たしているかどうか確認した方が良いと思います。お使いのPCがWindows 11の要件を満たしているか確認するには、Microsoftが提供する「PC正常性チェックアプリ」を使用するのが最も簡単な方法です。
Microsoftの公式サイトから「PC正常性チェックアプリ」をダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを実行してアプリをインストールします。
アプリを起動し、「今すぐチェック」ボタンをクリックします。
診断結果を確認します。要件を満たしていない場合、具体的な項目が表示されます。
Windows Updateの設定画面からも確認できます。「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」を開き、Windows 11へのアップグレードが利用可能かどうか表示されます。
Windows 11に無償アップグレードする準備
Windows 11へのアップグレードを実行する前に、以下の準備を行うことで、スムーズな移行とデータ保護が可能になります。
TPMとセキュアブートを有効化する
Windows 11では、TPM 2.0とセキュアブートの有効化が必須要件となっています。これらの機能は、PCのセキュリティを強化するための重要な要素です。
TPM 2.0の確認と有効化手順
「Windows」キー+「R」キーを押して、「ファイル名を指定して実行」を開きます。
「tpm.msc」と入力してEnterキーを押します。
TPM管理画面が表示されれば、TPMは既に有効です。「互換性のあるTPMが見つかりません」と表示される場合は、UEFI(BIOS)で有効化する必要があります。
PCを再起動し、起動時に「F2」「Del」「F10」などのキー(メーカーによって異なる)を押してUEFI設定に入ります。
「Security」または「Advanced」メニューから、「TPM」「Trusted Computing」「Intel PTT」「AMD fTPM」などの項目を探します。
該当する項目を「Enabled」(有効)に設定します。
設定を保存してPCを再起動します。
セキュアブートの確認と有効化
タスクバーの検索ボックスに「msinfo32」と入力してEnterキーを押します。
「システム情報」画面で「セキュアブートの状態」を確認します。
「無効」と表示されている場合は、UEFI設定から有効化します。
UEFI設定画面の「Boot」または「Security」メニューから「Secure Boot」を探し、「Enabled」に設定します。
データをバックアップする
アップグレード作業中に予期せぬトラブルが発生する可能性があるため、重要なデータは必ずバックアップしておきましょう。
- 個人ファイル(ドキュメント、写真、動画など)
- ブラウザのブックマークとパスワード
- メールデータ
- アプリケーションの設定ファイル
- ライセンスキーや認証情報
バックアップ先としては、外付けHDD、USBメモリ、クラウドストレージ(OneDrive、Google Driveなど)が利用できます。
Windows 11のための容量を確保する
Windows 11のインストールには最低64GBのストレージ容量が必要ですが、実際には100GB以上の空き容量を確保することが推奨されます。
- 不要なアプリケーションをアンインストールする
- 一時ファイルやキャッシュをクリアする
- 古いWindowsのバックアップファイルを削除する
- 不要な大容量ファイルを外部ストレージに移動する
「設定」→「システム」→「ストレージ」から、ディスクの使用状況を確認し、不要なファイルを整理できます。
セキュリティソフトをアンインストールする
サードパーティ製のセキュリティソフトが、アップグレード作業を妨げる場合があります。アップグレード前に一時的にアンインストールし、アップグレード完了後に再インストールすることを検討してください。
Windows 11には標準でWindows Defenderが搭載されているため、アップグレード中もセキュリティは確保されます。
【Homeエディションの場合】安定したインターネット接続を用意する
Windows 11 Homeエディションへのアップグレードには、安定したインターネット接続とMicrosoftアカウントが必要です。
- Wi-Fiまたは有線LANで安定した接続を確保する
- 従量制課金のモバイルデータ通信は避ける(大容量のダウンロードが発生するため)
- Microsoftアカウントのユーザー名とパスワードを確認しておく
時間の余裕があるときにアップグレードを始める
Windows 11へのアップグレードには、PCの性能やインターネット環境によって1時間から数時間かかる場合があります。作業中はPCを使用できないため、時間に余裕があるときに実行しましょう。
アップグレード作業は中断しないようにしてください。電源が切れると、システムが破損する可能性があります。ノートPCの場合は、必ず電源アダプターに接続した状態で作業を行いましょう。
Windows 11に無償アップグレードする手順
準備が整ったら、以下の手順でWindows 11へのアップグレードを実行します。主に2つの方法があります。
Windows Updateからアップグレードする手順
最も一般的で推奨される方法は、Windows Updateを通じたアップグレードです。
「スタート」メニューから「設定」を開きます。
「更新とセキュリティ」を選択します。
「Windows Update」をクリックします。
「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックします。
Windows 11へのアップグレードが利用可能な場合、「Windows 11へのアップグレードの準備ができました-しかも無料です!」というメッセージが表示されます。
「ダウンロードとインストール」ボタンをクリックします。
ライセンス条項を確認し、「同意してインストール」をクリックします。
ダウンロードとインストールが完了するまで待ちます。
「今すぐ再起動」または指定した時刻に再起動を選択します。
PCが再起動し、Windows 11のセットアップが自動的に進行します。
この方法では、ファイルやアプリケーション、設定が自動的に引き継がれます。
インストールアシスタントからアップグレードする手順
Windows Updateでアップグレードが表示されない場合や、より確実にアップグレードしたい場合は、インストールアシスタントを使用します。
Microsoft公式サイトの「Windows 11をダウンロードする」ページにアクセスします。
「Windows 11インストールアシスタント」の「今すぐダウンロード」ボタンをクリックします。
ダウンロードした「Windows11InstallationAssistant.exe」ファイルを実行します。
「同意してインストール」ボタンをクリックします。
PCの互換性チェックが自動的に実行されます。
互換性が確認されると、Windows 11のダウンロードが開始されます。
ダウンロード完了後、インストールが自動的に開始されます。
インストールが完了したら、「今すぐ再起動」をクリックします。
PCが再起動し、Windows 11のセットアップが完了します。
アップグレード後10日間は、ファイルやデータを保持したままWindows 10に戻すことができます。10日を過ぎると、クリーンインストールが必要になります。
Windows 11のアップグレードによる不具合のデータ復元
Windows 11へのアップグレード中または後に、予期せぬエラーやデータ損失が発生する可能性があります。そのような場合でも、適切なデータ復元ツールを使用することで、失われたファイルを取り戻すことができます。
Tenorshare 4DDiGでデータを復元
Tenorshare 4DDiGは、Windows 11のアップグレードに関連するデータ損失問題に対応できる強力なデータ復元ソフトウェアです。
Tenorshare 4DDiGは、Windows 11へのアップグレードプロセスで発生したあらゆるデータ損失シナリオに対応できる信頼性の高いソリューションです。直感的なインターフェースと高度な復元アルゴリズムにより、技術的な知識がないユーザーでも簡単に失われたデータを取り戻すことができます。
Tenorshare 4DDiGの使用手順
Tenorshare 4DDiG を起動し、削除したファイルが存在するハードディスクやパーティションを選択し、スキャンします。
しばらく待つと、消してしまったファイルが表示されます。復元前に、写真、ビデオ、ムービー、オーディオ、音楽、ドキュメントなどのファイルをダブルクリックすることによりプレビューが可能です。
復元したいファイルを選択し、保存場所を選択します。例えばOneDriveまたはGoogle Driveなどのクラウドディスクに保存することを検討してください。
保存パスを元の場所を選択すれば、データが上書きして復元できない恐れがあります。
最後に
Windows 10から Windows 11への無償アップグレード期間は、現時点では期限が明示されていませんが、Windows 10のサポートが2025年10月14日に終了することを考えると、早めの移行が推奨されます。
アップグレードにはTPM 2.0やセキュアブートなどの要件を満たす必要があり、事前にデータのバックアップと互換性の確認が重要です。
万が一、アップグレード中にデータが失われた場合でも、Tenorshare 4DDiGのような専門的なデータ復元ツールを使用することで、大切なファイルを取り戻すことができます。Windows 11への移行は、セキュリティと機能面で多くのメリットをもたらしますので、計画的にアップグレードを進めることをおすすめします。