Windows 11の最新バージョン25H2(Windows 11 2025 Update)が2025年9月30日にリリースされました。新機能や改善が含まれている一方で、一部のユーザーから不具合の報告が相次いでいます。本記事では、現在報告されているWindows 11 バージョン 25H2の具体的な不具合の内容、その原因、そしてそれらを解決するための効果的な対処法を詳しく解説します。さらに、万が一のデータ消失に備えたデータ復元方法までを網羅します。
Windows 11 25H2で起きた不具合
Windows 11 バージョン 25H2のアップデート後にユーザーから報告されている、代表的な不具合には以下のようなものがあります。
アップデート後に再起動を繰り返す
バージョン 25H2への更新適用後、PCが正常に起動せず、繰り返し再起動を繰り返す「再起動ループ」が発生するケースが報告されています。この現象は、アップデートの適用ミスやシステムファイルの破損などが原因で起こることがあります。
PCゲームの動画シーンが赤くなる
Microsoftが公式には認識していないものの、PCゲーマーの間で深刻な問題として報告されているのが、ゲーム内の動画シーンが赤く表示される不具合です。特に国産のアドベンチャーゲームやビジュアルノベル系のゲームで、オープニングやエンディングなどのムービーシーンが真っ赤になってしまう現象が確認されています。
この不具合は、2025年8月30日に公開されたプレビューリリースKB5064081以降をインストールしたWindows 11 24H2および25H2環境でのみ発生します。Windows 11 23H2やWindows 11 22H2では発生しないため、アップデートによる新たな問題であることが明らかです。
特定のBD/DVD/TVアプリケーションで著作権保護コンテンツが再生できない
Microsoftも認めている既知の問題として、一部のBluRay/DVDおよびデジタルTVアプリケーションで著作権保護されたコンテンツ(DRMコンテンツ)の再生に問題が発生するケースが確認されています。これにより、著作権保護エラー、再生中断、フリーズ、または黒い画面が表示されることがあります。
有線LAN接続が不安定・遅延する
アップデート後、有線LAN接続の通信が不安定になったり、速度が著しく遅延したりする不具合が報告されることがあります。これは、ネットワークアダプタのドライバーが最新バージョンに対応していないことなどが原因として考えられます。
この問題は、特定のネットワークアダプタやドライバとの相性問題が原因である可能性が高いとされています。25H2をアンインストールして24H2に戻すと症状が改善されるケースが多く報告されています。
Windows 11 25H2で不具合が起きる原因
Windows 11 25H2で発生している不具合には、それぞれ異なる原因があります。これらの原因を理解することで、適切な対処法を選択することができます。ここでは、主な不具合の背景にある技術的な原因について解説します。
DRM保護コンテンツの再生問題
著作権保護コンテンツの再生問題は、Windows 11 25H2のビデオレンダリングシステムに関連する変更が原因です。Enhanced Video Renderer(EVR)とHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)の連携において、新しいセキュリティチェック機能が追加されたことで、一部のアプリケーションが正しく動作しなくなりました。
特に、古いバージョンのメディアプレーヤーや、独自のDRM実装を使用しているアプリケーションでは、このシステム変更に対応できていないケースが多く見られます。Microsoftは2025年9月のプレビュー更新プログラム(KB5065789)で部分的な修正を行いましたが、完全な解決には至っていません。
SSD/記憶装置のファームウェア不具合
再起動ループや起動時の問題の一部は、SSDや記憶装置のファームウェアとWindows 11 25H2の互換性問題に起因している場合があります。特に、特定のメーカーの古いファームウェアを使用しているSSDでは、新しいストレージドライバとの相性問題が発生することがあります。
Windows 11 25H2では、ストレージアクセスの最適化や新しいセキュリティ機能が導入されており、これらの変更がファームウェアレベルでの予期しない動作を引き起こす可能性があります。
アップデートの適用ミス・不完全な更新
Windows Updateプロセス中に何らかの問題が発生し、アップデートが不完全な状態で終了してしまうケースがあります。例えば、更新中にネットワークが切断されたり、ディスク容量が不足したりすると、システムファイルが部分的にしか更新されず、矛盾した状態になることがあります。
また、25H2はイネーブルメントパッケージ(KB5054156)を使用して24H2から軽量アップデートする仕組みを採用していますが、このパッケージの適用過程で問題が生じる可能性もあります。
ストレージやネットワーク機器の物理障害
アップデート後に発生する問題の中には、実はアップデート自体が原因ではなく、既存のハードウェアの劣化や物理的な障害が関係しているケースもあります。Windows 11 25H2のような大規模なアップデートは、ストレージに大量の書き込みを行うため、すでに劣化していたHDDやSSDの問題を顕在化させることがあります。
また、ネットワーク機器についても、古いルーターやネットワークアダプタのハードウェア的な不具合が、新しいドライバやプロトコルの変更によって表面化することがあります。
Windows 11アップデートによる不具合の対処法
ここからは、Windows 11 25H2で発生する不具合に対する具体的な対処法を紹介します。これらの方法を順番に試していくことで、多くの問題を解決できる可能性があります。
方法1.最新の更新プログラムのアンインストール
不具合が発生する直前に適用された最新の更新プログラムが原因である可能性が高い場合、その更新プログラムをアンインストールすることで問題が解決する場合があります。
スタートボタンをクリックし、「設定」を開きます。
「Windows Update」を選択し、「更新の履歴」をクリックします。
「更新プログラムをアンインストール」を選択します。
インストールされた更新プログラムの一覧から、問題の原因と思われるプログラム(KB番号で識別できます)を探し、「アンインストール」をクリックします。
画面の指示に従って操作を完了し、パソコンを再起動します。
方法2.ネットワークアダプタのドライバ更新
有線LANの接続不安定や遅延が発生している場合は、ネットワークアダプタのドライバを最新のものに更新します。
スタートボタンを右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択します。
「ネットワークアダプター」の項目を展開します。
使用しているネットワークアダプタを右クリックし、「ドライバーの更新」を選択します。
「ドライバーを自動的に検索」を選択するか、製造元のウェブサイトから最新ドライバーをダウンロードして手動でインストールします。
更新が完了したら、パソコンを再起動します。
Intel KillerやRealtek、Intelなどの主要なネットワークチップメーカーは、Windows 11 25H2対応の最新ドライバーを公開していますので、公式サイトから入手することをお勧めします。
方法3.「ディスクの管理」での状態確認と注意
システムが不安定な場合や、再起動ループが発生している場合は、ストレージの状態を確認することが重要です。
スタートボタンを右クリックし、「ディスクの管理」を選択します。
各ドライブの状態を確認します。「正常」と表示されていれば、物理的な問題はありません。
エラーや警告が表示されている場合は、そのドライブに問題がある可能性があります。
コマンドプロンプト(管理者)を開き、「chkdsk C: /f」と入力してディスクチェックを実行します。
方法4.システムの復元や回復オプションの使用
再起動ループ、Windowsのアップデートができないことなど、OSが正常に起動しない深刻な問題の場合は、Windowsの回復オプションを利用してシステムを復元します。
PCの電源を入れ直後に電源ボタンを長押しして強制終了を数回繰り返し、「自動修復」画面を起動します。
「トラブルシューティング」>「詳細オプション」>「システムの復元」を選択し、不具合発生前の復元ポイントに戻します。復元ポイントがない場合は「スタートアップ修復」や「更新プログラムのアンインストール」を試みます。
方法5.Windows Updateコンポーネントのリセット
アップデートの適用ミスが原因の場合、Windows Updateのコンポーネントをリセットすることで、アップデートが正常に実行できるようになることがあります。
コマンドプロンプトを管理者として開きます。
以下のコマンドを順番に実行します。
net stop wuauserv net stop cryptSvc net stop bits net stop msiserver ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old net start wuauserv net start cryptSvc net start bits net start msiserver
コマンドの実行が完了したら、パソコンを再起動します。
このリセット操作により、破損したWindows Updateのキャッシュやデータベースがクリアされ、新しい状態で更新プログラムを受け取れるようになります。
方法6.バージョン24H2を戻す
更新プログラムのアンインストールやシステムの復元で解決しない場合、Windows 11の旧バージョン(バージョン 24H2)に戻すことが最も確実な対処法となります。
設定アプリを開き、「Windows Update」を選択します。
「更新の履歴」→「更新プログラムをアンインストール」をクリックします。
「Feature update to Windows 11, version 25H2 by using an enablement package (KB5054156)」を探し、アンインストールを選択します。
画面の指示に従ってアンインストールを完了し、再起動します。
Windows 11アップデートによる不具合のデータ復元
Windows 11 25H2アップデートの失敗やシステムの不安定化により、大切なデータが消えてしまう、またはアクセスできなくなるというリスクもゼロではありません。特に再起動ループやシステムの復元操作を行う際には、データの消失に十分注意が必要です。
万が一、Windows 11 バージョン 25H2へのアップデート後にデータが失われてしまった場合は、データ復元ソフトTenorshare 4DDiGの使用を検討できます。
- Windows 11 25H2を含む、すべてのWindowsバージョンに完全対応
- 再起動ループやシステムクラッシュで失われたファイルも復元可能
- 2000種類以上のファイル形式に対応し、写真、動画、ドキュメントなどあらゆるデータを復元
- 高速スキャン機能により、大容量のストレージでも短時間でデータを検出
- プレビュー機能で復元前にファイルの内容を確認できる
Tenorshare 4DDiG を起動し、不具合により消えたデータが存在するハードディスクやパーティションを選択し、スキャンします。
しばらく待つと、消してしまったファイルが表示されます。復元前に、写真、ビデオ、ムービー、オーディオ、音楽、ドキュメントなどのファイルをダブルクリックすることによりプレビューが可能です。
復元したいファイルを選択し、保存場所を選択します。例えばOneDriveまたはGoogle Driveなどのクラウドディスクに保存することを検討してください。
注意:
保存パスを元の場所を選択すれば、データが上書きして復元できない恐れがあります。
最後に
Windows 11 最新バージョン 25H2は多くの新機能を提供する一方で、アップデート後の再起動ループや特定のアプリでの著作権保護コンテンツの再生問題など、複数の不具合が報告されています。
これらの不具合の多くは、更新プログラムのアンインストールやシステムの復元、バージョン 24H2へのロールバックなどの手順で対処が可能です。
しかし、最も注意すべきは、不具合の解決を試みる過程で大切なデータが失われてしまうリスクです。もしシステムクラッシュや誤操作でデータが消えてしまった場合は、データ復元ソフトTenorshare 4DDiGの使用をおすすめします。簡単な操作で高い復元率を実現できるため、万が一の事態に備えて覚えておくと安心です。