SDカードにも寿命があり、いずれ使えなくなる時が来ます。そのため、寿命の目安や劣化の兆候を知り、適切に対処することが大切です。新品購入時は意識しにくいかもしれませんが、事前に理解しておくことでトラブルを防げます。
本記事では、SDカードの寿命を確認する方法や、長持ちさせるための対策を詳しく解説します。
SDカードには寿命があるのか?
はい、SDカードには寿命があります。SDカードの寿命は、主に書き込み回数に依存します。フラッシュメモリを使用しているため、データの書き込み・削除を繰り返すと、セルが徐々に劣化し、最終的に読み書きができなくなることがあります。この寿命は通常、カードの書き込み回数に関係し、一般的なSDカードであれば数千回から数万回程度の書き込みが可能とされています。
SDカードの書き込み回数と保存できるデータ量の目安
SDカードの寿命は種類や使い方の他に、書き込み回数によっても変わってきます。製品ごとに書き込み回数の上限が定められていて、その上限に達したときが寿命です。上限はSDカードに使われているNANDフラッシュメモリ素子の種類で決まります。以下に例を挙げてみましょう。
SLC・MLC・TLCの寿命
- SLC(Single Level Cell)チップ:約5万回
- MLC(Multi Level Cell)チップ:約3,000回
- TLC(Triple Level Cell)チップ:約1,000回
保存できるデータ量の目安
SDカードに保存できるデータ量の目安は以下のとおりです。容量ギリギリまでデータを入れると、負荷が大きくなり、寿命が縮まることがあります。

SDカードの寿命が劣化する原因
SDカードの寿命が劣化する主な原因は、フラッシュメモリの特性に関連しています。具体的には以下の点が原因となります:
- 書き込み回数の上限に達した:SDカードには書き込み回数に制限があり、頻繁に書き込みや削除を繰り返すと、メモリセルが劣化し、最終的に書き込みエラーが発生します。
- 過酷な温度環境:高温や低温環境では、SDカードの内部回路やメモリセルが損傷し、劣化が早まることがあります。極端な温度での使用は避けるべきです。
- 高湿度:湿気が多い環境では、カード内部の回路が腐食し、データ損失の原因になります。湿度の高い場所での保管は避けましょう。
- 静電気:静電気がカードに放電されると、内部回路が破損し、カードが使えなくなることがあります。静電気に注意して取り扱うことが重要です。
- 物理的衝撃:SDカードは衝撃に弱く、落下や圧力で内部回路が破損することがあります。慎重に取り扱い、振動の多い場所での使用を避けましょう。
- 経年変化:長期間使用しないと、SDカードのフラッシュメモリが劣化し、データエラーが増えることがあります。定期的にチェックし、長期間使用しないカードは交換を考慮しましょう。
SDカードの寿命が近づいた場合の症状
SDカードが寿命に近づくと、特有の症状が出てきます。どのような症状か見てみましょう。
症状1:デバイスがカードを認識しない
SDカードの寿命が近づくと、スマホなどのデバイスがカードを認識しなくなることがあります。SDカードを読み取れなくなる、データが消えてしまうなどの症状です。このような症状を想定して、バックアップを取っておかないといけません。
症状2:認識が頻繁に切断される
SDカードの寿命が近づいて、認識が頻繁に切断されることもあります。認識はされるもので、何度も切断されれば使い物にならないでしょう。この原因としては、SDカードの接続部や内部メモリに異常が生じているためです。
症状3:書き込みができなくなる
SDカードの寿命が近づくと、書き込みができなくなることがあります。書き込み上限回数に達しているためで、新しいデータを保存できなくなります。
症状4:データ読み込みエラーが頻発する
SDカードの寿命が近づいても、書き込みができる場合もありますが、読み込みエラーが頻発する場合があります。これはメモリセルがかなり傷んでいる証拠で、急いでバックアップした上で新しいSDカードを購入する必要があります。
SDカードの寿命をチェックする方法
SDカードの寿命が来ているのかチェックする方法があるので、紹介しましょう。
方法1:SD寿命診断ソフト「TDK SMART」を使う
SD寿命診断ソフト「TDK SMART」を使うことで、SDカードの寿命チェックができます。本ソフトの使用で、SDカードの書き換え(消去)回数がどこまで進んでいるか、書き換え寿命を迎え不良化したブロックがどの程度あるかなどの監視ができ、SDカードの寿命をリアルタイムで定量的に把握することができます。
一点注意点として、SD寿命診断ソフトを使用すると、SDカード内のデータが削除されることがあります。そのため、必ずバックアップを取っておいてください。

方法2:SDカードのストレージ容量と空き容量を確認する
SDカードの空き容量がなくなっても寿命を迎える訳ではありませんが、あまりデータを入れすぎると負荷が大きくなり、寿命を縮めることにもなります。 そこでSDカードのストレージ容量と空き容量の確認方法を知っておきましょう。
-
ホーム画面で[アプリ]→[設定]→「ストレージ」をタップすると、ストレージ容量と空き容量が示される
SDカードの寿命劣化で保存したファイルが開けない場合の対処法
SDカードの寿命劣化で保存したファイルが開けなくなることがありますが、対処法があります。どのような対処法か以下で紹介しましょう。
4DDiG File Repairで破損したSDカードファイルを修復する
対処法としては、「4DDiG File Repair」を使って、破損したSDカードのファイルを修復することです。SDカード内の写真や動画ファイルが破損して再生できない場合、4DDiG File Repairはその強力な修復機能で、データ復元に大いに役立ちます。
また、SDカードの寿命によって認識できなくなったファイルも修復できる可能性があります。使い方も簡単で、高い修復率を誇ります。SDカードの寿命が尽きて困っている方にとって、非常に頼りになるツールですので、ぜひ試してみてください。
-
4DDiG File Repairを起動します。左側のメニューバーの「ファイルの修復」タブをクリックします。次に、「動画修復」を選択し、その下にある「動画を追加」ボタンをクリックします。
-
「動画を追加する」ボタンをクリックし、破損した動画を追加します。
-
「すべてを修復」ボタンをクリックすると、プログラムは自動的に動画を修復します。
-
動画の修復が完了すると、修復された動画をプレビューして、指定した場所に保存できます。
上記の操作でファイル修復に失敗した場合は、「高度な修復」機能を選択して、より深い修復を行うことも可能です。
SDカードの耐久性を高めて寿命を長くするヒント
SDカードの寿命が来ると使えなくなりますが、少しでも寿命を延ばしたいところです。そのための方法をご案内しましょう。
ヒント1:適切に取り扱う
SDカードの寿命は使い方によっても左右されるので、適切に取り扱うことが大事です。適切に取り扱うとは次のようなことです。
- 清潔で乾燥した環境で保管する
- 過酷な環境(高温多湿や極端な気温変化を伴う場所など)では使わない
- 定期的にフォーマットする
- 無理な力を加えてデバイスに挿入しない
- 安全に取り出す
- デバイスに入れっぱなしにしない
ヒント2:高耐久モデルのSDカードを選ぶ
SDカードには高耐久モデルがあります。特徴として次のようなことが挙げられます。
- 書き込み回数が多い
- 耐衝撃性・耐水性に優れる
- 対応できる環境温度の幅が広い
- 防水・防塵性能がある
上記のような特徴を持つ高耐久モデルのSDカードは安定していて、寿命も長いです。そのため、このようなモデルを選んでおくと、一般的なSDカードよりも長く使用できるでしょう。
ヒント3:書き換え回数を減らす
SDカードの書き換え回数が増えると、寿命が縮まるので、減らしてみましょう。あまり頻繁に写真や動画を撮影し、データを頻繁に移動したり削除したりしないことで、SDカードの寿命が延びます。
最後に
今回は、SDカードの寿命に関するお話をしました。SDカードには寿命があり、いくつかの要因で寿命の長さが左右されます。 SDカードの寿命が近づくと、特有の症状も発生します。そのようなときはSDカードを使えなくなってしまうこともあるので、寿命のチェック方法も知っておきましょう。
そのうえで、大事に使えば寿命も延ばすことができます。 SDカードの寿命が来てデータファイルが開かないと言うときは、ぜひ「4DDiG File Repair」を使ってみてください。SDカードの修復ができるツールであり、開かないファイルも開けるようになることがあります。使い方も簡単ですから、誰でも安心して使えるでしょう。