外付けHDDをパソコンに接続した際、「フォーマットしますか?」というメッセージが表示されることがあります。この原因として、外付けHDDが「RAW」形式になっている可能性が考えられます。RAWとは、パソコンがファイルシステムを認識できず、データ構造が未定義になっている状態のこと。本記事では、外付けHDDがRAW状態になった原因と対処法を初心者にもわかりやすく説明します。
外付けHDDがRAW状態になる原因
外付けHDDがRAW状態になる主な原因としては、以下が考えられます。
不適切な外付けHDDの取り外しや停電による突然のシャットダウン
使用中に安全な取り外しを行わずにケーブルを抜いたり、停電や強制終了が起きたりすると、書き込み途中のデータが破損して不整合が発生し、RAW状態になることがあります。
USBケーブルの不具合
断線しかけたケーブルや品質の低いケーブルを使用すると、データ転送中に通信エラーが発生し、ファイルシステムが破損する場合があります。
フォーマット中止またはエラーが発生する
フォーマット作業中に中断したり、途中でエラーが発生したりすると、データが不完全な状態となり、RAW化の原因になります。
ファイルシステムの互換性がない
ファイルシステムとは、記録媒体内のデータの場所や管理方法を決める仕組みです。OSがHDDのファイルシステムに対応していないと認識されず、RAW状態と表示されることがあります。
ファイルシステムの破損
長期間の使用やソフトウェアの不具合、マルウェア感染、予期せぬシャットダウンや電源断などにより、ファイルシステムそのものが壊れてしまうこともあります。
HDDの物理的な損傷
落下や衝撃、水ぬれ、経年劣化などによってディスクの物理部分が故障すると、正常に読み書きできず、RAWとして認識される場合があります。この場合は自力で復旧やフォーマットできない可能性が高く、データを取り戻すには専門業者への依頼が必要です。
外付けHDDがRAW状態になった場合の復旧方法
ここではRAW状態の外付けHDDを復旧させる方法を3つご紹介します。
方法1.データ復元ソフトによるパーティション復旧
データ復元ソフトを使えば、RAW状態のHDDからでもデータをスキャンして別の場所に保存可能です。データを取り出した後に再フォーマットすれば、HDDを再び利用できる可能性があります。
フリーや有償のさまざまなデータ復元ソフトが公開されていますが、中でもおすすめなのが「Tenorshare 4DDiG」です。「Tenorshare 4DDiG」は直感的なUIで初心者でも使いやすく、たった3ステップでファイルの復元が完了。もちろんRAW状態の外付けHDDにも対応しており、スキャンも高速なため必要なファイルを素早く見つけられます。しかもダウンロードは無料です。
Tenorshare 4DDiG を起動し、外付けHDDをパソコンに接続し、スキャンします。
しばらく待つと、外付けHDDから消してしまったファイルが表示されます。復元前に、写真、動画、ドキュメントなどのファイルをダブルクリックすることによりプレビューが可能です。
復元したいファイルを選択し、保存場所を選択します。例えばOneDriveまたはGoogle Driveなどのクラウドディスクに保存することを検討してください。
注意:
保存パスを元の場所を選択すれば、データが上書きして復元できない恐れがあります。
方法2.外付けHDDのファイルシステムをNTFSに変換する
RAW状態のHDDを再フォーマットしてNTFS形式に変換すれば、外付けHDDが再び利用できる場合があります。ただし、この方法は全データを消去するため注意が必要です。重要なデータがあるなら、まずデータ復元ソフトでバックアップを取るようにしましょう。
Windows標準ツール「diskpart」を利用して外付けHDDのファイルシステムをNTFSに変換する手順は以下の通りです。
スタートメニューで「cmd」と入力し、「管理者として実行」を選びます。
コマンドプロンプトで「diskpart」を実行します。「diskpart」が起動したら、次の操作を行います。間違えると別のディスクを初期化してしまうこともありえるので、慎重に操作してください。
- 「list disk」を実行し、変換したいHDDの番号を確認する
- 「select disk 【対象HDD番号】」でHDDを選択
- 「clean」でディスクを初期化する
- 「create partition primary」でパーティションを作成する
- 「format fs=ntfs quick」でNTFS形式にフォーマットする
- 「assign」でドライブ文字を割り当てる
- 「exit」で終了する
方法3.専門業者へ依頼する
外付けHDDがRAW状態になり、復元ソフトでもデータを取り出せない場合でも、専門のHDDデータ復旧業者であれば復旧できる可能性があります。専門業者は専用の設備や高度な技術を有しており、障害のあるHDDから直接データを救出できるためです。
ただし、業者への依頼は費用が高額になることが多く復旧に時間もかかります。そのため、HDDに重要なデータが含まれている場合におすすめの方法です。
よくある質問(FAQ)
ここでは外付けHDDの障害に関して、よく疑問に思われることに対する回答をご紹介します。
質問1.RAWになったハードディスクは復旧できますか?
軽度のファイルシステムの破損や論理的障害が原因であれば復旧可能です。重度の論理障害や物理的な故障の場合は、専門のデータ復旧業者に依頼する必要があります。
質問2.HDDのNTFSを修復するにはどうしたらいいですか?
RAW状態でなければ、CHKDSKコマンドで修復できる場合があります。RAW状態になってしまうと、より高度なツールを使うか、「Tenorshare 4DDiG」のようなデータ復元ソフトでデータ救出後に再フォーマットを行います。
質問3.認識しないHDDを復活させる方法はありますか?
ケーブルやUSBポートの変更、別のPCでの接続など基本的な確認を行い、それでも認識されない場合は、データ復旧ソフトや専門業者への依頼でデータを復活させられる場合があります。
まとめ
外付けHDDがRAW状態になる原因は、ファイルシステムの破損や互換性の問題、物理的な損傷などさまざまです。重要なのは、慌てて操作せず、まずは安全にデータを確保することです。
復旧方法としては、「Tenorshare 4DDiG」のようなデータ復元ソフトを使って別の場所へファイルを救出してから再フォーマットするのがおすすめです。重要なデータがどうしても取り出せないときや物理障害が疑われる場合は、専門業者への依頼をおすすめします。
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