質問
「Affinityが無料になったと聞きましたが、本当ですか?Adobeの代わりに使えるのでしょうか?」
ーYahoo知恵袋
2025年10月末、デザイン業界に激震が走りました。デザインプラットフォームCanvaが、プロフェッショナル向けデザインソフトウェア「Affinity」の主要機能を、永久に完全無料で提供すると発表したのです。
これまで、AffinityはAdobe Creative Cloud(Adobe CC)の強力な対抗馬として、高機能ながら買い切り型で提供され、多くのクリエイターに支持されてきました。しかし、この度のAffinityの無料化は、プロのクリエイティブツール市場の常識を根本から覆すものです。
本記事では、この一大ニュースの背景を深掘りし、Affinityが無料で使えるのはいつまでなのかという疑問の解消、そして、Affinityの無料ダウンロード手順や、Adobe CCと比較した際の具体的な優位性について徹底的に解説します。
Affinity無料配布の背景
2024年3月、オンラインデザインプラットフォーム「Canva」がイギリスのSerif社(Affinity開発元)を買収しました。買収額は数億ポンド(数百億円)規模と報じられ、業界に大きな話題を呼びました。
そして2025年10月30日、Canvaは「Affinity 3.0」として、写真編集・ベクター編集・レイアウト機能を統合した新バージョンを完全無料でリリースしました。この発表は、オーストラリアで開催された「Canva Create 2025」イベントで行われ、世界中のクリエイターを驚かせました。
Canvaの戦略は明確です。「デザインの普通化」というビジョンのもと、プロフェッショナルツールへの金銭的な障壁を取り除き、誰もがワールドクラスのツールにアクセスできるようにすることを目指しています。Adobe Creative Cloudの月額最大70ドル(約1万円)という高額なサブスクリプション料金に対抗し、完全無料化という大胆な戦略で市場に挑んでいます。
Affinityとは
Affinityは、Adobe Photoshop、Illustrator、InDesignにそれぞれ対抗する高品質な機能を備えたプロ向けのグラフィック・デザインソフトウェアです。
Adobe CCとの比較
AffinityとAdobe Creative Cloudの主な違いを比較してみましょう。
- 特徴
- Affinity
- Adobe CC
- 価格モデル
- 完全無料
- 月額サブスク
- 年間コスト
- 0円
- 約10万円以上
- 動作パフォーマンス
- 大規模なファイルでも高速動作。GPUアクセラレーションをサポートし「動作が軽い」と評価が高い
- 比較的高スペックなPCを要求する傾向
- AI機能
- 有料プランで利用可
- 標準搭載
- 日本語縦書き
- 制限あり
- 完全対応
- 編集手法
- 徹底した非破壊編集
- 非破壊編集に対応するが、Affinityはより徹底している
Affinityの最大の魅力は、プロ品質のツールがAffinity 無料で利用でき、さらに3つの機能が統合された効率的なワークフローによって、作業効率が大幅に向上する点にあります。
品質について
Affinityは「価格が安い=品質が低い」というわけではありません。むしろ、多くの基本的なクリエイティブワークにおいて、Adobe製品と遜色ない、あるいはそれ以上のパフォーマンスを発揮します。
- GPU アクセラレーションによる高速処理で、複雑なファイルも快適に操作可能
- 非破壊編集機能により、いつでも元の状態に戻すことが可能
- PSD、AI、PDF、SVGなど幅広いファイル形式に対応
- 数千のレイヤーでもゼロラグで動作する設計
今後のアップデート
Canva傘下となったAffinityは、今後さらなる進化が期待されています。基本機能は永久に無料で提供される一方、AI機能などの高度な機能は有料プランで提供される「フリーミアムモデル」へと移行しています。
CanvaとAffinityの連携も強化されており、Affinityで作成したデザインをCanvaに直接エクスポートしたり、Canvaで作ったデザインをAffinityでプロ級に仕上げるといった、シームレスなワークフローが実現されています。
Affinity3つのアプリ
従来、Affinityは3つの独立したアプリケーションで構成されていましたが、新しい「Affinity 3.0」ではこれらが単一のアプリに統合されました。ツールバーでワンクリック切り替えが可能です。
Affinity Designer
Affinity Designerは、Adobe Illustratorに相当するベクターグラフィックス編集ツールです。ロゴデザイン、イラスト制作、アイコン作成など、ベクターベースの作業に最適です。
- ベジェ曲線による精密なパス描画
- 複雑な図形の作成と編集
- グラデーションとカラー管理
- AIファイルとの互換性
ただし、Illustratorにはある「ライブトレース」「パスのランダム化」「3D化」「グラデーションメッシュ」などの一部機能は搭載されていない点に注意が必要です。
Affinity Photo
Affinity Photoは、Adobe Photoshopに匹敵する写真編集・画像処理ツールです。RAW現像から高度なレタッチまで、プロフェッショナルな写真編集に必要な機能を網羅しています。
- RAW現像機能(主要カメラメーカーに対応)
- レイヤー機能とマスク処理
- 非破壊編集ワークフロー
- 機械学習によるオブジェクト選択
Canva Proユーザーであれば、Affinity内から「Canva AI Studio」を利用して、生成塗りつぶし、背景除去、画像生成などのAI機能も使用できます。
Affinity Publisher
Affinity Publisherは、Adobe InDesignに相当するページレイアウト(DTP)ツールです。雑誌、パンフレット、電子書籍など、複数ページにわたる印刷物の制作に適しています。
- マスターページ機能によるテンプレート管理
- 複数ページのレイアウト編集
- DesignerとPhotoの機能をシームレスに統合
- PDFおよびIDML形式への対応
Affinity永久ライセンスの入手方法
Affinity 3.0の入手は非常に簡単です。以下の手順で無料ダウンロードできます。
Affinity公式サイト(https://www.affinity.studio/ja_jp)にアクセスし、「Affinityを入手」をクリックします。
Canvaアカウントでログインするか、新規アカウントを作成します。無料アカウントでも利用可能です。
お使いのOSに応じて、Windows版またはMac版を選択します。Windowsの場合、以下の4つの選択肢が表示されます。
Windows版のダウンロード形式について
- MSIX(x64):最も推奨される形式です。ほとんどのWindowsユーザーはこれを選択してください。
- MSI/EXE(x64):MSIXでエラーが発生する場合や、インストール先を指定したい場合に選択します。
- MSIX(ARM64):ARM64プロセッサ搭載のPCをお使いの場合に選択します。
- MSI/EXE(ARM64):ARM64プロセッサでMSIXが動作しない場合に選択します。
ダウンロードが完了したら、インストーラーを起動します。
アプリを起動すると、Canvaアカウントでサインインするよう求められます。「Canvaでサインイン」を選択します。
ブラウザで認証が完了すると、Affinityアプリにウェルカムメッセージが表示され、すぐに使用開始できます。
iPad版も近日中にリリース予定です。また、Affinity 3.0でV1/V2のファイルを開くことはできますが、その逆はサポートされていません。
対応OSは、macOS 10.15 Catalina以降、Windows 10/11(64ビット)以降となっています。比較的古いPCでも使用可能な点が魅力です。
Affinityで作成したデザインを復元する方法
デザイン作業中に、PCのクラッシュ、予期せぬ停電、誤操作などにより、Affinityで作成中のデザインファイルを失うリスクが常に存在します。そんな時に役立つのがデータ復元ソフトです。
Tenorshare 4DDiGでデザインを復元する
もし大切なAffinityファイルを失ってしまった場合は、データ復元ソフトの利用が有効です。Tenorshare 4DDiGのようなデータ復元ツールは、削除、フォーマット、システムクラッシュなど様々な原因で失われたファイルを、高い復元率で回復させることが期待できます。 Affinityで作成したデザインファイル(EPS、PSD、AI、PDF、SVGなど)を含む、広範なファイル形式の復元に対応しています。
Tenorshare 4DDiG を起動し、Affinityで消えたファイルが存在するハードドライブ(一般的にCドライブ)を選択し、スキャンします。
しばらく待つと、消してしまったファイルが表示されます。復元前に、PDF、AI、PSDなどのファイルをダブルクリックすることによりプレビューが可能です。
復元したいファイルを選択し、保存場所を選択します。例えばOneDriveまたはGoogle Driveなどのクラウドディスクに保存することを検討してください。
保存パスを元の場所を選択すれば、データが上書きして復元できない恐れがあります。
まとめ
Affinityの完全無料化は、デザインツール業界における歴史的な出来事です。これまで高額なサブスクリプション料金に悩まされていたクリエイターにとって、プロフェッショナルグレードのツールが永久に無料で利用できるようになったことは、まさに革命的な変化と言えるでしょう。
Affinity 3.0は、ベクター編集、写真編集、ページレイアウトの3つの機能を単一のアプリに統合し、シームレスなワークフローを実現しています。Adobe Creative Cloudと比較しても、基本的なデザイン作業においては遜色ない性能を発揮します。
もしAffinityで作成した大切なデザインファイルを誤って削除してしまった場合は、Tenorshare 4DDiGを使用することで、簡単に復元することができます。デザイナーにとって作品データは何よりも大切な資産です。万が一のデータ損失に備えて、信頼できるデータ復元ツールを準備しておくことをお勧めします。