空撮で絶景を味わえるドローン撮影。しかし、思わぬ事故や操作ミスで映像データが消失してしまうことも少なくありません。墜落したドローンからのデータ復元や、あやまって削除した空撮映像の救出方法を知っておくことは、ドローン愛好家にとって必須のスキルです。
本記事ではDJI GOアプリやデータ復元ソフトを利用して、DJIをはじめとする各種ドローンで撮影したデータをSDカードから効果的に復元する方法を詳しく解説します。
ドローンの撮影データが失われる主な原因
ドローンで撮影した貴重なデータが失われる状況はさまざまです。まずは失われる原因を理解することが重要です。
墜落によるSDカードの物理的損傷
ドローンの墜落は、SDカードに深刻な物理的ダメージをもたらす可能性があります。墜落時の衝撃で内部のメモリチップが破損すると、通常の復元ソフトでは対応できないケースも発生します。
機体紛失によるアクセス不能
ドローンが飛行中に制御不能となり、回収できなくなるケースも少なくありません。このような場合、クラウドに自動バックアップされていない限り、データの復元は極めて困難になります。
操作ミスによるデータ消失
もっとも一般的なデータ損失の原因は、実は人為的なミスです。具体的にはSDカードのあやまったフォーマット、ファイルの誤削除、データ転送中の不適切な取り外しなどです。
ドローンで撮影した写真や動画を復元する方法
状況に応じた適切な復元方法を選択することで、多くの場合ドローンのデータを救出できる可能性があります。
方法1.DJI GOアプリを活用した復元方法
DJI GOアプリには、撮影したデータを一時的にキャッシュとして保存する機能があります。これを活用することで、SDカードからデータが消失した場合でも復元できる可能性があります。
スマホ別の手順は以下のとおりです。
Androidデバイスでの復元手順
DJI GOアプリを起動し、「エディター」をタップ
画面上部の「アルバム」>「写真」もしくは「動画」をタップ
キャッシュされた動画や写真の一覧が表示されます
復元したいファイルを選択して「シェア」をタップ
-
「…」>「フォト」を選択するとファイルがデバイスに保存されます
iOSデバイスでの復元手順
DJI GOアプリを開き、「編集」をタップ
画面上部の「アルバム」>「写真」もしくは「動画」をタップ
キャッシュされた動画や写真の一覧が表示されます
復元したいファイルを選択して「シェア」アイコンをタップ
-
「…」から「画像を保存」を選択してファイルをデバイスに保存
どちらのデバイスでもデータ復元が可能ですが、キャッシュの保存期間には限りがあります。データ消失に気づいたらすぐに確認することをおすすめします。
方法2.Tenorshare 4DDiGによる高度なデータ復元
DJI GOアプリのキャッシュからの復元が不可能な場合や、より高度なデータ復元が必要な場合は、データ復元ソフトの使用が効果的です。中でもTenorshare 4DDiGはドローンのSDカードからの写真、動画復元にピッタリのツールです。
Tenorshare 4DDiGの最大の特徴は、単なるデータ復元にとどまらない点にあります。AIアルゴリズムを活用した「高度な動画復元」機能により、破損した動画ファイルの修復も同時に行えます。これはドローン墜落時に起こり得る動画ファイルの破損に有効です。
またスキャン途中でもファイルをプレビューできるため、長時間のスキャンを待たずに必要なファイルをすばやく復元できます。
SDカードが物理的に読み取り可能な状態であれば、誤削除やフォーマット後のデータでも高確率で復元できるため、ドローン動画復元の心強い味方となります。
手順も以下のとおり、シンプルでわかりやすいものになっています。
Tenorshare 4DDiG を起動し、ドローンからSDカードを取り出し、パソコンに接続して選択し、SDカードをスキャンします。
しばらく待つと、SDカードから消してしまった写真や動画などが表示されます。復元前に、写真、ビデオなどのファイルをダブルクリックすることによりプレビューが可能です。
復元したいファイルを選択し、SDカード以外の保存場所を選択します。例えばOneDriveまたはGoogle Driveなどのクラウドディスクに保存することを検討してください。
注意:
保存パスを元の場所を選択すれば、データが上書きして復元できない恐れがあります。
方法3.専門業者によるSDカードの物理復旧
ドローンの墜落や水没などによってSDカードが物理的に損傷した場合は、専門のデータ復旧業者への依頼が最後の手段となります。これらの業者はクリーンルーム環境での作業や特殊な機器を用いて、一般的なソフトウェアでは復元不可能なデータの救出を試みます。
専門業者によるデータ復元はSDカードのコントローラーチップが損傷した場合や、メモリチップ自体からの直接読み取りが必要な深刻なケースに適しています。ただし費用が高額になる場合が多いため、データの重要度と復元費用のバランスを考慮する必要があります。
ドローンデータを失わないための予防策
データ復元は常に100%の成功を保証するものではありません。そのため、データ消失を未然に防ぐための以下のような予防策を講じることが大切です。
バックアップ体制の構築
ドローン飛行後は、できるだけ早くSDカードのデータをパソコンやクラウドストレージにバックアップしましょう。とくに重要な撮影では、複数の保存先にデータを分散させることが効果的です。
DJIドローンの場合、DJI Flyアプリの自動同期機能を活用することで撮影データを自動的にモバイルデバイスに保存できます。
SDカードの適切な管理
ドローン用SDカードの適切な管理も重要です。以下のポイントに注意しましょう。
飛行前にSDカードを必ずフォーマットする(FAT32形式を推奨)
SDカードの容量使用率を90%以下に保つ
高品質で信頼性の高いSDカードを使用する
SDカードの抜き差しは、ドローンの電源がオフの状態で行う
ドローン墜落リスクの軽減策
データ消失の大きな原因となるドローン墜落を防ぐためには、以下の対策が有効です。
飛行前に天候条件を必ず確認する
飛行前の機体チェックを徹底する
適切な離着陸場所を選定する
離陸直後は低空でホバリングし、機体の状態を確認する
バッテリー残量に常に注意を払う
「Return to Home」ポイントを適切に設定する
ドローンのデータ復元に関するよくある質問
ドローンデータの復元に関して、よくある質問とその回答をまとめました。
1.ドローンのSDカードの一部が物理的に破損した場合、データ復元は可能?
物理的な破損の程度によります。接点部分の軽微な損傷であれば、クリーニングで読み取りが可能になる場合があります。しかしメモリチップ自体が破損している場合は、専門業者でも復元が困難になります。
2.ドローンでデータが上書きされた場合の復元率はどれくらい?
上書きされたデータの復元は非常に困難です。SDカードの特性上、データが完全に上書きされると元のデータを復元することはほぼ不可能になります。そのため、データ消失に気づいたらすぐにSDカードの使用を停止し、それ以上の書き込みを行わないことが重要です。
まとめ
本記事で紹介したように、適切な方法を選択することで多くの場合ドローンのデータが復元できる可能性があります。DJI GOアプリのキャッシュ機能を活用した基本的な復元から、Tenorshare 4DDiGによる高度なデータ復元、そして専門業者による物理的復旧まで、状況に応じた選択肢があります。
とくにTenorshare 4DDiGは、AIを活用した高度な動画復元機能によって破損したファイルの修復も同時に行えるすぐれたソフトとして注目されています。
またもっとも重要なのはデータ消失を未然に防ぐための予防策です。
ドローン撮影の醍醐味を存分に楽しみながら、万が一のデータ消失にも備えておくことで、あなたの空撮ライフはさらに充実したものになるでしょう。