Chrome OS FlexはWindows10の代替品?Windows10/11との比較、及びインストール方法

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カテゴリ:パーティション管理|更新日:2024-12-11 18:30:57

Chrome OS Flexは正式にTPM 2.0チップをサポートすることを、2024年2月14日にGoogleが発表しました。ユーザー層を拡大し、MicrosoftのWindows 11をさらに取って代わる意図があります。それでは、Chrome OS Flexがこのような市場攻略を試みるに至った根拠は何でしょうか?この記事では、「Chrome OS Flexとは何か」「Chrome OS FlexとWindows 10/11を比較した場合の利点と欠点」「Microsoftの環境にChrome OS Flexをインストールする方法」について、いくつかの観点から説明します。

Part1.グーグルの無料OS、Chrome OS Flexとは?

Chrome OS Flexは、Googleが開発した無料のオペレーティングシステム環境であり、古いPCやラップトップを新たな用途に活用するためのソリューションです。このOSは、Windows 10やWindows 11などの旧バージョンのWindowsを実行できない古いデバイスに対応することを目的としています。Chrome OS Flexは、GoogleのChrome OSの一種であり、以下のような特徴を持っています。

  • クラウドに焦点を当てた軽量なOS:

    Chrome OS Flexは、クラウドベースのアプローチに焦点を当てており、デバイスのローカルストレージを最小限に抑えることで、古いデバイスでもスムーズに動作します。

  • 高速起動と更新:

    Chrome OS Flexは、非常に迅速な起動時間を実現し、定期的な自動更新を介してセキュリティとパフォーマンスの向上を提供します。

  • セキュリティと安定性:

    Chrome OS Flexは、Googleのセキュリティ機能や自動更新システムを活用して、デバイスのセキュリティと安定性を確保します。

  • AndroidアプリとLinuxアプリのサポート:

    Chrome OS Flexは、Google Playストアを介してAndroidアプリを利用できるほか、Linuxアプリのサポートも提供します。これにより、幅広いアプリケーションを利用できます。

  • 使いやすいユーザーインターフェース:

    Chrome OS Flexは、シンプルで直感的なユーザーインターフェースを提供し、Googleのエコシステムとのシームレスな統合を可能にします。

2023年、Microsoftは、Windows 10の延長サポート終了時期を「2025年10月14日」と発表しました。つまり、2025年10月14日までには、現在Windows 10を使用している方は、Windows 11へのアップグレードか他社のOSへの移行が必要となります。

大量のWindows 10ユーザーが古いデバイスであり、TPM 2.0チップを搭載できないためにWindows 11にアップグレードできない状況があります。さらに、Windows 10の延長サポートが終了したことで、古いデバイスの利用がより困難になっています。

このような状況下、Googleは熱い話題をつかみ、Windows 10を使用できず、かつ愛機を手放したくないユーザーに、自社が開発した無料のオペレーティングシステム環境であるChrome OS Flexを選択するようアピールています。無料であり、よりスペースを節約し、PCの負荷を軽減できる利点があり、多くのWindowsユーザーをGoogleに引き寄せています。

Part2.chromeOSFlexとWindows10・11との比較

Chrome OS FlexとWindows 10/11を価格、PCのハードウェアに対するニーズ、サイズと運行速さの観点から比較してみましょう。

  • 価格:
  • Chrome OS Flex:Chrome OS Flexは無料で提供されており、ライセンス料金や購入費用がかかりません。
    Windows 10/11:Windows 10/11は商用オペレーティングシステムであり、ライセンス料金が必要です。Windows 10からのアップグレードは一部のユーザーには無料で提供されますが、新規購入やアップグレードには費用がかかります。

  • PCのハードウェアに対するニーズ:
  • Chrome OS Flex: Chrome OS Flexは軽量であり、古いPCや低スペックのデバイスでも動作します。特にTPM 2.0チップを搭載していない古いデバイスでも利用可能です。
    Windows 10/11: Windows 10/11は比較的高いハードウェア要件を持っており、特にWindows 11ではTPM 2.0チップが必須となっています。古いPCや低スペックのデバイスでは動作が遅くなる可能性があります。

  • サイズと運行速さ:
  • Chrome OS Flex: Chrome OS Flexは軽量であり、起動が速く、リソースの消費が少ないため、古いデバイスでも快適に動作します。
    Windows 10/11: Windows 10/11は比較的重いオペレーティングシステムであり、起動が遅く、リソースの消費が多いため、古いPCや低スペックのデバイスでは遅くなる可能性があります。

  • Windows 11よりChrome OSで使用を希望するユーザーのシーン:
  • 古いPCや低スペックのデバイスを所有しているユーザー: Windows 11のハードウェア要件を満たしていない古いPCや低スペックのデバイスの所有者は、Chrome OS Flexを選択することで新しいオペレーティングシステムを利用できます。
    クラウドベースの作業やウェブブラウジングに主に使用するユーザー: Chrome OSはクラウドベースのアプローチに焦点を当てており、ウェブブラウジングやオンライン作業に適しています。そのため、これらの作業に主に使用するユーザーは、Chrome OS Flexを選択する可能性が高いです。

Part3.Chrome OS Flexをインストールする方法

ステップ1:Chrome OS Flexのインストールメディアを作成する

  • Chrome OSのISOファイルをダウンロードするために、「Serving Builds」に移動します。

  • 以下の画面のように表示されるので、インストールするパソコンと同じCPUのChromebookモデルを見つけて、そのISOファイルをダウンロードします。

    ISOファイルをダウンロード
  • Chromebookモデルを探す方法は、インストールするパソコンのCPU名に「Chrome book」を加えて検索してください。また「The Chromium Projects」でモデル名からCode nameを調べられます。

    例えば、「Intel Celeron n5100」のChromebookは、「Acer Chromebook Spin 511」が該当します。モデルをもとにCode nameを調べると「bobba360」です。つまり、「Intel Celeron n5100」のパソコンの場合は、bobba360のISOファイルをインストールします。

    bobba360のISOファイルをインストール
  • ISOファイルは数の多い最新ファイルをインストールしましょう。

ステップ2:ブートUSBを作成

  • まずは「Linux Mint」の公式ページへ移動して、Linux Mintをダウンロードしてください。どのバージョンでも問題ありませんが、今回は最も軽いXfce Editionにします。

    ダウンロードミラーを選択してダウンロードします。

  • ブートUSBの作成には、「Rufus」が必要なので公式サイトからダウンロード・インストールしてください。

    Rufus
  • Rufusを起動したら以下の手順を実施します。

    • 「デバイス」はUSBドライブを選択
    • 「選択」をクリックして、Linux MintのISOファイルを選択
    • パーティション構成は「GPT」を選択
    • スタートをクリック
    Rufusの設定
  • 次に「GitHub Brunch」へ移動して、最新のBrunchをダウンロードします。

    GitHub Brunch
  • ダウンロードした「tar.gz」を解凍して出てきた4つのファイルを、容量が十分なドライブに新規フォルダを作成して保存します。今回はわかりやすいように、「ChromeOS」というフォルダ名にしました。

    ファイルを解凍
  • 次にステップ1でダウンロードしたChrome OSのISOファイルを解凍します。1つのファイルが出てきますので、「rammus_recovery.bin」に名前を変更して、先ほどと同じフォルダに保存します。

  • さらに「GitHub shrikant2002/Chrome OS」へ移動して、「code」からファイルをダウンロードしてください。

    GitHub shrikant2002
  • 解凍後、shファイルを同様に「ChromeOS」フォルダに保存します。

    ChromeOSフォルダに保存

ステップ3:インストール用のパーティション作成

Chrome OSをインストールするためには、パーティションの空きスペースを確保する必要があります。できれば30GB以上を確保したいところです。

パーティション管理ソフト4DDiG Partition Managerでインストール用のパーティション作成の手順を紹介します。

無料ダウンロード

安全なダウンロード

  • 4DDiG Partition Managerを起動します。左側の「パーティション管理」を選択します。次に、新しいパーティションを作成する未割り当てパーティションを右クリックし、「作成」を選択します。

    分割したいパーティションを選択
  • パーティションサイズ、ドライブ文字、ボリューム ラベル、ファイル システム (NTFS、exFAT、FAT16、または FAT32) など、新しいパーティションのパラメーターを設定し、「OK」をクリックします。

    新しいパーティションのパラメーターを設定
  • 少しお待ち、新しいパーティションが正常に作成されたら、「OK」をクリックします。

    パーティション作成の完了
ノート

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ステップ4:WindowsにChrome OS Flexをインストール

  • 作成したブートUSBをパソコンに挿入してください。
  • 次に、パソコンを再起動して「Boot」メニューを開きます。ブートデバイスの優先順位を変更して、USBドライブが最初になるようにします。

    ブートデバイスの優先順位を変更

    ※Fast Boot・Secure Bootについては「Disabled」を選択して、無効にしてください。

  • USBドライブで立ち上げると以下の画面が出ますので、「Start Linux Mint 21.1 Xfce 64-bit」を選択して起動します。
  • 作成した「ChromeOS」フォルダを開きます。
  • 「ChromeOS」フォルダのなかで右クリックを押して、ターミナルを開き「sudo sh multi_install.sh」を入力します。

    ターミナルを開き

    途中で「Y/n」の入力を求められるので、「Y」を入力して「Enter」を押します。

  • 確保した未割り当てのパーティションを選択して、左上の「+」を押してください。

    未割り当てのパーティションを選択
  • File Systemを「ntfs」に選択して、「Add」をクリックします。さらに「チェックマーク」アイコンをクリックして、「Apply」を押してください。

    File Systemをntfsに選択
  • 覚えたPartition名を入力して「Enter」した後、「yes」を入力して「Enter」を押します。

  • インストール完了後、ターミナルを上にスクロールして「menuentry」セクションがありますので、セクション内をコピーしてください。

  • 次に「Cドライブ」のフォルダ内に新規ドキュメントを作成して、コピーした内容を貼り付けます。

  • パソコンを再起動後に、ブートデバイスの優先順位を変更してWindowsを起動します。

  • 「ブートメニューの管理」の「新しいエントリを追加」を選択して、以下のように設定します。

    • タイプ:サブメニュー
    • タイトル:Chrome OS カスタム
    • コードの編集:(7)のコードを貼り付け(コードは、「img_part」から「 } 」までです。)
  • ブートメニューにChrome OSがあるかを確認して、Grub2Winを閉じます。

再起動すると、Grub2WinのブートメニューからWindows・Chrome OSが選択できます。

Part4.関連内容

4.1 Chrome OSはいつまで使える?

Chrome OS Flexは、2022年7月にリリースされた比較的新しいオペレーティングシステムであり、現時点では明確なサポート終了時期は発表されていません。
しかし、GoogleはChrome OS Flexのサポート期間について以下のように言及しています。
Chrome OS Flex は、リリース日から 8年間、または Chrome OS の自動更新ポリシーに基づいてサポートされます。
つまり、Chrome OS Flexは少なくとも 2030年7月まではサポートされることが保証されています。
ただし、Chrome OS Flexは現在も開発中であり、今後サポート期間が変更される可能性もあります。最新情報はGoogleの公式発表を確認する必要があります。

4.2 Chrome OSで開発できる言語は?

Chrome OS Flexは、Linuxベースのオペレーティングシステムであるため、Linuxで動作するプログラミング言語であれば、基本的に開発可能です。

最後に

Chrome OS Flexは動作の軽さから、古くなったパソコンの再利用にも活用できます。Windows10からWindows11にアップデートできなくて、使い道に困っている方はぜひ試してみてください。

またChrome OS Flexのインストールの際は、既存のデータと分けるためにパーティションの作成・分割が必要です。難しいと感じる方は「4DDiG Partition Manager」の利用をおすすめします。

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加藤篤人 (編集者)

4DDiGの編集長として、データ復元、ファイル修復、重複ファイルの削除、パーティション管理、あらゆる種類のパソコンの問題に対するエラー修復など、Windows および Mac 関連の問題に対する最適な解決策を提供することに専念しています。

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