動画を編集する際、音質の悪さが気になることは珍しくありません。例えば、旅行やイベントの思い出動画で雑音が入ったり、声が小さくて聞き取りづらかったり、音がこもってしまうことがあります。そんなときは、動画の音質を良くする無料アプリを使うことで、手軽に音質を改善できます。この記事では、よくある音声トラブルの具体例や、スマホやPCで簡単に使えるおすすめアプリをご紹介します。
動画内でよくある音声トラブルとは?
はじめに、動画を撮影したり編集したりする際に良く発生する音声トラブルの種類について解説します。「動画編集をしているが、音が何か変な気がする」と悩んでいる方は、当てはまる症状がないかチェックしてみましょう。
トラブル1:音がこもって聞き取りづらい
動画を収録する際、マイクから話者が遠すぎたり騒音が多い場所で録音したりすると音がこもって聞き取りづらくなる可能性があります。また、スマホやカメラ内蔵のマイクを使用したり、録音時の音量設定が適切でなかったりしても音がこもって聞き取りづらくなるでしょう。
外付けマイクを使用する、 マイクと話者の適切な距離を保つなどの対処すれば音のこもりを防げます。
トラブル2:音量が小さすぎて再生時に聞こえにくい
音量が小さすぎて再生時に聞こえにくい問題は、録音時のマイク感度やレベルが低い場合に発生します。録音する際、以下の3つを調整しましょう。
- マイク感度の設定
- 録音レベルの設定
- 録音環境の調整
例えば、雑踏の中で実況する場合はある程度再生時に音量が小さくなると想定したうえで、編集の際にアプリを使って音声をクリアする必要があります。
トラブル3:周囲の雑音・ノイズが目立つ
録音の環境によっては周囲の雑音やノイズが目立つ場合があります。雑踏の中で収録した場合などは、雑音もある程度仕方がない場合もあるでしょう。しかし、歌や演奏などは周囲の雑音やノイズが目立ってしまうと台無しになります。無音の環境を用意できれば最良ですが、難しい場合はアプリ等で修正しましょう。
トラブル4:音ズレやエコーなどの編集ミス
編集ミスでも音ズレやエコーが発生する場合があります。自分で編集した結果音ズレやエコーが発生したならば、再編集で直すこともできるでしょう。しかし、すでに音ズレやエコーが発生した状態の動画を編集する場合は、アプリ等で修正する必要があります。
【スマホ編】動画の音声をクリアにするアプリ3選
ここでは、スマホで利用できる動画の音声をクリアにするアプリを3つ紹介します。
AudioLab:ノイズ除去・イコライザー搭載で音声補正に最適

AudioLabは、ノイズ除去やイコライザーなど高度な音声編集機能を搭載したアプリです。動画の背景ノイズを簡単にカットでき、声や音楽をクリアに補正できます。さまざまなオーディオフォーマットにも対応し、編集した音声付き動画はそのままSNSで共有可能です。プロ品質の動画音質を手軽に目指せます。
- 多彩なフィルターで声質や雰囲気を自在に変えられる
- 部分ごとにノイズ除去や音質補正を細かく設定できる
- 長時間動画も高速で音声処理できる
VLLO:フィルター&音声調整機能でクリアな音声に編集可能

VLLOは、直感的な操作で音声のボリュームやバランスを調整できる動画編集アプリです。ノイズが気になる動画も簡単な操作で聞きやすい音質に仕上げることができ、BGMや効果音の追加も自由自在。編集した動画はそのままSNSにアップロード可能です。
- 音声クリッピングやフェード機能でプロ風の仕上がり
- BGMとナレーションを自由にミックス可能
- サウンドプリセットで初心者も失敗なく調整できる
InShot:シンプル操作でBGM・効果音・音量調整ができる

InShotは、初心者でも簡単に使える動画編集アプリです。音声の音量調整やBGM・効果音の追加が直感的にでき、小さな声を増幅して聞きやすくしたり、既存動画から音声を抽出して編集することも可能です。シンプルなデザインで編集が初めての方にもおすすめです。
- ワンタップで音声を自動最適化
- SNS投稿向けに音質を簡単調整
- 編集前後の音声をすぐ比較できる
【PC編】動画の音質を良くするサイト&無料ソフト3選
今度は、動画の音質を良くするサイトや無料ソフトについて解説します。
Audacity:完全無料の音声編集ソフト、EQ/ノイズ処理/圧縮に対応

Audacityは、完全無料で利用できる音声編集ソフトです。無料ですが有料の音声編集ソフトと変わらない機能が備わっており、ノイズ除去やエコー、リバーブなどのエフェクトが充実しているのが特長です。初めて音声編集ソフトを利用してみたい方にもおすすめです。ただし、録音機能はそれほど高くないので注意しましょう。
- 波形編集画面で細かく音声をカット・修正できる
- VSTプラグイン追加で機能を拡張できる
- バッチ処理で複数ファイルを一括で編集可能
DaVinci Resolve:動画編集と音質の自動最適化を両立

DaVinci Resolveは、カラーグレーディング、VFX、オーディオ編集の3つがすべて無料で行える高機能なソフトです。有料版もありますが、ノイズの除去程度ならば無料版でも十分です。AI機能が搭載されているため、細かな調整不要で最適な音声編集が可能です。
- AIによる自動音質最適化機能を搭載
- マルチトラック編集でBGMや効果音を自由に調整
- エクスポート時に各種動画フォーマットに対応
Kapwing:話題の動画音質を良くするサイト

Kapwingは、ダウンロード不要でブラウザ上で音声編集が可能なサイトです。AIによるサポートが利用できるので、音声編集に関する詳しい知識がなくても高度な編集ができます。なお、「音楽、ポッドキャスト、ボイスオーバーを可視化する音波機能」が利用できるのも特長です。また、無料の音声や画像、GIFなどが豊富に使えるのもメリットです。
- ブラウザだけで動画や音声を素早く編集できる
- 音波ビジュアライザー機能で編集結果を可視化
- フリー素材やGIFも豊富に利用可能
補足:パソコンで音声トラブルを修復する方法とは?
パソコン内に保存していた音声ファイルが何らかの理由で破損し、音が出なくなる、ノイズがひどいといった音声トラブルが発生する可能性があります。このような場合、ファイル修復ソフトを利用するも一つの方法です。無料、有料両方のソフトがあるので、必要な機能があるソフトを利用しましょう。
爆破音や音割れした音声の修復には「4DDiG File Repair」もおすすめ
爆破音や音割れした音声の修復には、「4DDiG File Repair」がおすすめです。このツールはAIが自動的に異常なノイズや爆破音、音割れ箇所を高精度で検出し、元の音声をできるだけ自然な状態に復元できるのが特長です。
従来の手作業による編集では難しい微細なノイズやクリッピングも、AIによる高度な解析と補正機能でクリアに仕上げることができます。音声ファイルをアップロードするだけで、誰でも簡単にプロ品質の修復ができるので、大切な会話や記録音声のクオリティを取り戻したい方に最適です。
4DDiG File Repairを起動します。左側のメニューバーの「ファイルの修復」タブをクリックします。次に、「音声修復」を選択します。
「ファイルを追加する」ボタンをクリックし、破損した音声ファイルを追加します。「すべてを修復」ボタンをクリックすると、プログラムは自動的にファイルを修復します。
音声ファイルの修復が完了すると、修復された音声ファイルをプレビューして、指定した場所に保存できます。
上記の操作でファイル修復に失敗した場合は、「高度な修復」機能を選択して、より深い修復を行うことも可能です。
最後に
本記事では、動画の音声にトラブルが起こる理由や対処法を紹介しました。録音環境を整えるのが一番ですが、すでに収録済みの動画だった場合は、音声加工ソフトを利用するとノイズ除去や音声の音量を改善できます。また、動画ファイルが壊れてしまった場合は、「4DDiG File Repair」を利用すれば動画が復活する可能性もあります。