TestDiskでHDDのパーティションを復元する手順と注意点

この記事では、TestDiskの基本的な使い方、姉妹ソフトPhotoRecとの違い、代替ソフトの紹介まで、初心者にもわかりやすく解説します。

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カテゴリ:製品レビュー|更新日:2025-08-20 15:27:40

質問

「パソコンのハードディスクが認識されなくなりました。重要なデータが入っているのですが、TestDiskというソフトでパーティションが復元できると聞きました。どのように使えば良いでしょうか?」

ーYahoo知恵袋

ハードディスクが認識されなくなったり、パーティションが削除されてしまったりした経験はありませんか?そんな時に頼りになるのがTestDiskです。TestDiskは、パーティションの復元やブートセクタの修復に役立つ強力な無料ツールです。HDDがRAW状態になったり、パーティションが見つからなくなったりした際に、自力での復旧を試みる方法として広く知られています。

本記事では、TestDiskの基本的な使い方から注意点、さらにはより使いやすい代替ソフトウェアまで詳しく解説します。パーティション復元にお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

TestDiskとは

TestDiskの概要と機能

TestDiskは、失われたパーティションを復旧し、起動しないディスクを再び起動可能にするためのデータ復元ソフトです。ウイルスやヒューマンエラーによって破損したパーティションテーブルの修復を目的として開発されています。

開発元

:Christophe Grenier(CGSecurity)

対応OS

:Windows・Mac・Linux

価格

:完全無料(オープンソース)

最新バージョン

:7.2(安定版)

日本語対応

:非対応(英語のみ)

対応ファイルシステム

:FAT、NTFS、ext2/ext3/ext4、HFS+など

TestDiskの主な機能は以下の通りです:

  • 削除されたパーティションの復元
  • 破損したブートセクターの修復
  • パーティションテーブルの再構築
  • ファイルシステムの修復
  • MBRとGPTパーティションテーブルの復旧

パーティション復元ソフトとしての位置づけ

TestDiskは無料のオープンソースデータ復旧ツールとして、プロの技術者から一般ユーザーまで幅広く利用されています。商用ソフトウェアに匹敵する高度な機能を無料で提供している点が特徴です。

ただし、コマンドライン形式のインターフェースのため、初心者には操作が困難な場合があります。そのため、より使いやすいGUI版のソフトウェアを求めるユーザーも多く存在します。

PhotoRecとの違いと連携

TestDiskは、同じ開発元が提供する姉妹ソフトPhotoRecとセットで提供されることが多いです。この2つのツールはそれぞれ異なる役割を持っています。両者の主な違いは以下の通りです:

  • 項目
  • TestDisk
  • PhotoRec
  • 主な用途
  • パーティション復元
  • ファイル復元
  • 復元対象
  • パーティションテーブル
  • 個別ファイル
  • ファイル名保持
  • 可能
  • 不可能
  • フォルダ構造
  • 保持される
  • 失われる

TestDiskのメリット・デメリット

  • 長所
  • 短所
    • 完全に無料でオープンソース
    • 強力なパーティション復元機能
    • ファイル名とフォルダ構造を保持
    • 多くのファイルシステムに対応
    • ブートセクターの修復も可能
    • コマンドライン操作で初心者には困難
    • 日本語に対応していない
    • 操作ミスによるデータ損失のリスク
    • 専門的な知識が必要
    • ユーザーインターフェースが直感的でない

TestDiskの基本的な使い方:パーティション復元の実行手順

TestDiskを使用してパーティションを復元する手順を詳しく解説します。操作は慎重に行い、重要なデータのバックアップを事前に取っておくことをお勧めします。

注意

TestDiskの操作は不可逆的な変更を加える可能性があります。操作前に必ずデータのバックアップを取り、十分な知識を持って実行してください。

  • TestDiskのダウンロードとインストール

    公式サイト(https://www.cgsecurity.org/)からTestDiskをダウンロードします。TestDisk&PhotoRecはポータブルアプリケーションなので、ファイルを展開するだけで使用できます。

    TestDiskダウンロード画面
  • 管理者権限でTestDiskを起動

    Windowsの場合、testdisk_win.exeを右クリックして「管理者として実行」を選択します。これにより、システムレベルでのアクセスが可能になります。

    管理者として実行
  • ログファイルの作成

    TestDiskが起動すると、最初にログファイルの作成について聞かれます。通常は「Create」を選択してください。「Enter」キーで、次へ進めます。「Create」や「Append」を選択すると、「TestDisk」の実行ファイルと同じ場所に、「testdisk.log」というログファイルを作成します。

    「Create」を選択
  • 対象ディスクの選択

    「TestDisk」による復旧対象のパーティションがあるディスクを選択します。複数のディスクが接続されている場合は、サイズや型番を確認して正しいディスクを選択してください。「Proceed」を選択します。

    「Proceed」を選択
  • パーティションテーブル形式の選択

    「Intel」(MBR)または「EFI GPT」から適切な形式を選択します。現代のほとんどのWindowsシステムではGPTが使用されていますが、古いシステムではMBRが使用されている場合があります。

    「Intel」を選択
  • 分析の実行

    「Analyse」を選択して、ディスクの分析を開始します。この処理には時間がかかる場合があります。分析中は他の作業は控え、電源が切れないよう注意してください。

    • Analyse:パーティション構造を解析する。主に使用。
    • Advanced:ブートセクタ(PBS)の修復や、ファイル操作、イメージの作成を行う。
    • Geometry:ディスクジオメトリの変更。
    • Options:「TestDisk」自体の動作オプション。
    • MBR Code :「TestDisk」によってMBRコード(ブートストラップローダ)を書き直す。※MBRディスクのみ。
    • Delete:パーティションテーブルを「0」で埋めて消去する。※MBRディスクのみ。
    「Analyse」を選択
  • 失われたパーティションの検索

    分析が完了したら、「Quick Search」を実行します。これにより、削除されたパーティションが検出される可能性があります。見つからない場合は「Deeper Search」を試してください。

    「Quick Search」を実行
  • パーティションの選択と書き込み

    復元したいパーティションを選択し、「Write」を実行してパーティションテーブルに書き込みます。この操作は慎重に行い、間違いがないことを確認してから実行してください。

    「Write」を実行
ヒント

TestDiskは英語インターフェースのため、操作に不安がある場合は、事前にマニュアルを熟読するか、より使いやすいGUI版のソフトウェアの利用を検討してください。

TestDiskの代替案としてTenorshare 4DDiG Freeについて

TestDiskは強力なツールですが、コマンドライン操作の複雑さや英語のみのインターフェースなど、一般ユーザーには使いにくい面があります。そこでお勧めしたいのが、より使いやすい代替ソフトウェア「Tenorshare 4DDiG Free」です。

Tenorshare 4DDiG Freeの概要と機能

Tenorshare 4DDiG Freeは、SDカードやHDDなどから削除・紛失したデータを復元できる無料のデータ復元ソフトです。写真、動画、ドキュメントなど様々なファイルをサポートしています。直感的な操作画面で、初心者でも簡単にデータ復旧を試みることができます。

4DDiG Freeホームページ
開発元

:株式会社Tenorshare

対応OS

:Windows・Mac

日本語対応

:完全対応

価格

:無料版あり/有料版(月間5,980円/年間8,980円/永久12,980円)

対応ファイル形式

:2000+種類のファイル形式

復旧率

:99%以上

4DDiG Freeの主な特徴:

  • 直感的で使いやすいGUIインターフェース
  • 完全な日本語対応
  • 高速スキャンと高い復旧率
  • プレビュー機能で復旧前にファイルを確認可能
  • 様々なストレージデバイスに対応
  • 安全で信頼性の高い復旧プロセス

Tenorshare 4DDiG FreeとTestDiskの比較

  • 項目
  • 4DDiG Free
  • TestDisk
  • ユーザーインターフェース
  • 直感的GUI
  • コマンドライン
  • 日本語対応
  • 完全対応
  • 非対応
  • 操作の簡単さ
  • 非常に簡単
  • 専門知識が必要
  • プレビュー機能
  • あり
  • なし
  • 技術サポート
  • 専門サポートあり
  • コミュニティのみ
  • 価格
  • 2GBまで無料
  • 完全無料

Tenorshare 4DDiG Freeの使い方

TestDiskの複雑な操作とは対照的に、Tenorshare 4DDiG Freeは驚くほど簡単にデータ復旧を行うことができます。コマンドラインでの複雑な操作は一切不要で、マウスクリックだけで全ての作業が完了します。さらに、復旧前にファイルをプレビューできるため、必要なファイルだけを選択的に復旧でき、時間と容量を大幅に節約できます。

4DDiG Freeを使用したデータ復旧は、わずか3ステップで完了します:

パーティションの復元

安全なダウンロード

パーティションの復元

安全なダウンロード

  • Tenorshare 4DDiG Freeが起動後の画面で、紛失したパーティションを選択します。「スキャン」をクリックします。(初めは500MB無料、SNSへ共有してさらに1.5GBの無料復元量を取得)

    パーティションをスキャン
  • しばらく待つと、パーティションから消えたファイルが表示されます。復元前に、写真、ビデオ、ムービーなどのファイルをダブルクリックすることによりプレビューが可能です。

    ファイルをプレビュー
  • 目的のファイルを選択し復元します。例えばGoogle DriveまたはDropboxなどのクラウドディスクに保存することを検討してください。

    ファイルを復元
    注意:

    保存パスを元の場所を選択すれば、データが上書きして復元できない恐れがあります。

TestDiskに関するよくある質問(FAQ)

1. TestDiskは無料で使えるの?

はい、TestDiskは完全に無料のオープンソースソフトウェアです。商用・非商用問わず、誰でも無料で利用できます。ただし、技術的な知識が必要で、操作が複雑なため、初心者には使いにくい場合があります。

2. TestDiskの公式サイトはどこですか?

TestDiskの公式サイトはhttps://www.cgsecurity.org/です。ここから最新版のTestDiskとPhotoRecをダウンロードできます。偽サイトからのダウンロードは避け、必ず公式サイトを利用してください。

3. TestDiskとPhotorecの違いは何ですか?

TestDiskはパーティションの復元に特化しており、PhotoRecは個別ファイルの復元に特化しています。TestDiskはファイル名とフォルダ構造を保持できますが、PhotoRecは元のファイル名や構造は失われます。用途に応じて使い分けることが重要です。

まとめ

TestDiskは非常に強力なパーティション復元ツールですが、コマンドラインでの操作は専門知識を必要とし、操作を誤るとデータ喪失のリスクも伴います。

もしコマンド操作に自信がない場合は、Tenorshare 4DDiG Freeのような、より使いやすいGUIベースのソフトから試してみることをおすすめします。直感的なGUIインターフェース、完全な日本語対応、高い復旧率を誇る4DDiG Freeなら、初心者でも安心してデータ復旧を行うことができます。

パーティションの復元

安全なダウンロード

パーティションの復元

安全なダウンロード

加藤篤人 (編集者)

4DDiGの編集長として、データ復元、ファイル修復、重複ファイルの削除、パーティション管理、あらゆる種類のパソコンの問題に対するエラー修復など、Windows および Mac 関連の問題に対する最適な解決策を提供することに専念しています。

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